エアアジアに引き渡したA320neoの天津製初号機(エアバス提供)

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 米ボーイングと仏エアバスの航空機メーカー2強は、中国本土の航空会社の急成長や。格安航空会社(LCC)の台頭により、今後、アジア市場で多額の受注が見込まれる。

 今日6日に開幕するシンガポール航空ショーでは、エアバスのトム・エンダース最高経営責任者(CEO)やボーイングのマーケティング担当バイスプレジデント、ランディ・ティンゼス氏ら幹部は、この追い風を生かすための計画を発表する見通しだ。

 国際航空運送協会(IATA)の予想によると、アジア太平洋地域の乗客数は2036年までに35億人に達し、北米と欧州合計の2倍余りの伸びを記録すると見込まれている。この需要に対応するため、ボーイングは2036年までに新たに2兆5000億ドル(約275兆円)相当の1万6050機の航空機が必要になるとの見通しを示している。

  世界の航空機産業では地殻変動が起ころうとしている。LCCの台頭により、需要は中・大型機から小型機へシフト。小型機で欧エアバスに後れをとる米ボーイングは小型機を得意とするブラジル・エンブラエルとの提携交渉中だ。
 
 ブルームバーグの報道によると、ボーイングはエンブラエルに対し、完全買収ではなく、商用ジェット機の合弁会社を設立する計画を提示しているという。

 ボーイングとエアバスの受注競争が激しさを増す傍ら、中国メーカーも小型機の初飛行に成功。業界の勢力図に変化の兆しが見える。ボーイング向け主要構造部位の供給(ティア1=1次取引先)が中心の日本勢は、今まで以上にコストダウンを求められる可能性もある。
 
 またエンブラエルは近年、座席数100席前後の「リージョナル機」市場を席巻し、国産リージョナルジェット機「MRJ」を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)の最大のライバルでもある。買収が実現すれば、ボーイングと深い関係にあるMRJ、ひいては日本の航空機産業全体にとって致命的な事態となりかねない。