4人組ラウドロック・アイドルのPassCodeが1月7日に、東京・TSUTAYA O-EASTで東名阪ワンマンツアー『PassCode ZENITH TOUR 2017 FINAL』の東京公演をおこなった。8月にリリースされた1stフルアルバム『ZENITH』を引っさげて、11月から12月にかけて13公演おこなわれたツアーの追加公演で、1月7日の東京を皮切りに14日の愛知、2月3日の大阪まで東名阪の3公演をおこなうというもの。『ZENITH』を中心に全16曲を、生バンドによるヘヴィラウドサウンドと4人の迫真のパフォーマンスで、オーディエンスを熱狂させた。【取材=村上順一】

あなたたちにとって特別な日になるように

撮影=shumpei kato

 会場のO-EASTは満員御礼。隙間も見当たらないほどの人で埋め尽くされた。チケットも即時ソールドアウトだったとのことで、PassCodeの今の勢いが開演前のフロアから伝わってきた。開演時刻少々過ぎたところで会場は暗転。重厚なシンセサウンドが特徴的なSEが響き渡ると、威風堂々と4人がステージに。大歓声の中『ZENITH』でも1曲目を飾る「Maze of mind」で幕は開けた。

 生バンドによるラウドサウンドは、体を震わせるほどの音圧で迫り、それを受けたオーディエンスによる一体感のあるクラップは、高まるテンションのバロメーターかのよう。ロックならではの心地よいエナジーと一体感で会場は満ちていた。その怒涛の音圧を後ろから受け、4人のフィルターを通したパフォーマンスと歌は、それを吸収しリフレクションしていくようだ。「ONE STEP BEYOND」や「bite the bullet」と怒涛のセットリストで展開。オーディエンスも拳を振り上げ、クラウド・サーフィングなどラウドロックならではの盛り上がりを見せる。

 序盤からアクセル全開、ものすごい熱気が筆者がいる2階席の方まで立ち登り、会場はサウナ状態。激しく踊る4人の顔にも汗がキラリと光る。まさにアスリートのようなパフォーマンスは清々しさ。南菜生は「あなたたちにとって特別な日になるようにいいなと思っています」と宣言し、序盤で得た熱気を冷ますわけにはいかないと、MCも少なめに大歓声が巻き起こるなか「AXIS」に突入。南、高嶋楓、大上陽奈子の凛としたヴォーカルに、PassCodeの飛び道具で必殺とも言える今田夢菜のスクリームが降り注ぐ。

 中盤戦は3拍子のセクションが印象的な「Same to you」を披露。激しいだけではない女性ならではしなやかさもプラスしたステージを魅せ、オーディエンスによるシンガロングも。そして、『ZENITH』の最後を飾る「Voice」ではエモーショナルな歌声を響かせ、振り幅の広い曲調でライブを彩る。

 MCではインディーズ時代のアルバムが『ALL is VANITY』と『VIRTUAL』の中から楽曲を選定し、再録したアルバムを2月28日にリリースすることを発表。今年はリリースが多くなるとファンにとって嬉しい報告。そして、南は昨年11月に始まったツアー初日のO-WESTでのライブが悔いが残ったと話す。「自分というものを見失いそうになった時もあった。でも、今日わかったことがあります。もっとでかいところへ行ってみたい!お前らの本気を見せろ」と張り裂けそうな声で投げかけ「TRACE」へ。決意も新たに全力でぶつけていく圧巻のステージ。

 「Insanity」に続き、「お前らついてこれるか!」と煽り「Never Sleep Again」でさらに会場が一丸となったパフォーマンスでテンションを上げていく。ライブはラストスパートへ向かう。はっきり言って、ボルテージはスタートから常に最高潮。これ以上上がるわけはないと思えるほどだったが、「Club Kids Never Die」でそのリミットを超える熱量。この日集まったオーディエンスに感謝を告げ、「Seize the day!!」を披露。「みなさん最後に力を貸してくれませんか?」と南の言葉に、オーディエンスも盛大なシンガロングをステージへ届け、本編を終了した。

声が出なくなっても叫び続ける

撮影=shumpei kato

 響き渡るアンコールの声。再びステージに4人が登場。ここで1人ずつこのツアーの想いを語る。

 大上はこの追加公演までに自分たちのことを考えたと話す。「このツアーにはいろんなことがありました。時間があったので色々他の選択肢、例えば大学に行ってたらとか考えてみたけど、やっぱりやりたいことはPassCodeだなと思いました。やるからには絶対に立ち止まりたくない、今年はこのチームで乗り越えていきたいです」と“PassCode愛”を語った。

 高嶋は「ツアーでは待っていてくれる人がたくさんいて嬉しかった。今までのツアーと違ってずっと自分自身と戦っているみたいでした。完全体のPassCodeを見せれない日もあったけど、そんな日があったからこそ、ライブが好きだと改めて感じ、みんなが好きだという気持ちがすごく大きくなりました」と語った。

 今田は「復帰した直後は前みたいに歌ったり踊ったりできると思っていたんですけど...。13公演やってきたけど個人的に良いライブがなかった。悔しいを通り越して自信を無くしちゃって、何回も弱音を吐いてしまって...。でも、踊るのが好きでPassCodeが最後だと思ってやってきていたから、出来るところまでこの4人でやっていきたいと思っています」と自身の不甲斐なさに挫折しかけたが、このツアーを経て新たな気持ちが芽生えたことを涙ながらに話した。

 そして南も「初日のO-WESTのリハで全く声が出なくなってしまって、声が出なくなるってこんなに辛いんだなと思いました。何とかライブを終えたのですが、O-WESTのライブが心残りで...。あの時以上のライブをして絶対いいものを観てもらおうと決めて、今日はステージに立ちました」とツアーを振り返り、この日への思いを話す。

 さらに「13公演ソールドアウトしたけど、どうしたら良いか分からずメンバー同士ギクシャクしたこともあったけど、でもこのステージに立ってこの4人じゃないとPassCodeじゃないなと改めて思いました。私にはPassCodeしかないので、声が出なくなっても叫び続けてみなさんに声を届けられたらと思っています」と強い意志を告げ「カタルシス」を届けた。

 ラストはメジャーデビュー曲「MISS UNLIMITED」を全身全霊で披露し、漲るエナジーで充たされるなか、追加公演初日のステージは大団円を迎えた。悔しさをバネに新たなスタートラインに立ったと言っても過言ではない、決意に満ちたステージはさらなる躍進を予感させるには十分だった。2018年の4人の成長に期待が高まった。

撮影=shumpei kato
撮影=shumpei kato
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