自動運転車も使うLiDARセンサー技術でマヤの巨大都市を発見。グアテマラの森林に6万もの構造物


文化遺産保護のための科学的調査を行うPACUNUM財団はLiDAR技術を利用した調査によって、中米グアテマラの森林地帯に6万ものこれまでに知られていない構造物を発見しました。これはこの地に栄えた古代マヤ文明の都市がわれわれの認識よりかなり大規模で、マヤの人口も従来は500万人ほどとされていたところが、実際は1000万〜1500万人におよんだ可能性も出てきました。LiDARといえば、レーザー光を投射し、その反射の具合を読み取ることで周囲にある物体を立体的に検知できるセンサー。少し前までは自動運転機能を開発する車の上でクルクル回っているやつといえば通じやすかったものの、最近ではそれらはかなり小型化が進んで目立たなくなりました。

PACUNUM財団は、そのLiDAR技術を使って森林を切り開くことなく埋もれた構造物を発見する方法により、3年間をかけてマヤ文明の広大な都市を発見しました。

みつかった都市のはずれからは家屋や宮殿、ピラミッドの材料を運ぶための隆起した専用道(ハイウェイ)が採石場とみられる場所まで続いており、当時のマヤ人は家畜や台車などを利用していなかったと考えられるものの、高度に組織化された労働体制を構築していたことなどがわかったとしています。

さらに街と街を結ぶ道路も広くとられており、マヤ人どうしが商業を通じて交流していた可能性も考えられます。また一部地域では利用可能な土地の95%で農業が行われていたとしています。


また、調査に加わっていた考古学者Thomas Garrison氏は城壁や要塞がいずれも破壊された状態で見つかっていることに関しては、戦争が文明末期だけに起こっていたわけではない可能性があると語っています。

PACUNAM財団のLiDARによる調査はまだ第1段階であり、最終的にはグアテマラの低地1万4000平方km以上を調査する計画になっています。

LiDARセンサーは自動運転車やロボットの目の役割を果たすセンサーのひとつとしてだけでなく、「ハッブル宇宙望遠鏡が天文学にもたらしたような革命を考古学に引き起こしている」とルイジアナ州テュレーン大学の考古学者Francisco Estrada-Belli氏は説明します。

これまで森林を切り開かなければ見つけることができなかった遺跡が、最先端のセンサー技術で発見できるようになったことで、数年後には我々はもっと古代文明について深く知ることができているかもしれません。