画像提供:マイナビニュース

写真拡大

今日は世田谷区・千歳船橋に向かった。小田急線で新宿駅から各駅停車に揺られ20分弱。こちらにある立ち食いそばが「八兆」である。店は小田急線の高架下商店街「小田急マルシェ」のテナントのひとつで、駅前の看板を見ると他にもコンビニがあったり書店があったりクリーニング店があったりするようだ。もちろん駅のそば、歩いて1分もかからない。

○ランチタイムを過ぎても天ぷらは待っている

こぢんまりした印象の入り口には、手書きのメニューが貼られている。たぬきやきつね、かき揚げ、春菊天、コロッケやゴボウ天など至って正統派な顔ぶれ。訪問したのは14時前とランチタイムを過ぎていたことから、天ぷらの品切れもあるかと思い、特に決めずにドアを開ける。

店内はL字の立ち食いカウンターのみ。先客はひとりいたが、ほどなくして食べ終わり、貸し切り状態になった。BGMは演歌が流れており、雰囲気に妙にしっくりくる。揚げ物のバットを見ると、どれもそれなりに在庫はあるようだ。

「いか天ありますか? 」と女性の店員さんに聞くと「そばでいいですか? 」と返事が返ってきてそのまま注文(税込460円)。お代はそばを待っている間に支払った。そばを作っているのは男性の方の店員さん。この日も寒さが厳しく、到着が待ち遠しい、なんて思いをよぎらせる間もなく到着。さて、いか天そばである。

○しっかりいか天にダシが利いたツユのハーモニー

こちらのそば、自分が知っているいか天そばと少し違って、いか天が一口サイズに切り分けられている。いか天というと丸々一本がスタンダードで、一口二口とかぶりついているうちに、イカと衣が分離してしまうのがやや難点でもあったが、こちらではその心配なし。もちろん、シコシコとうまい。上に無造作に振りかけられているネギも、どことなく上品に見える。改めて写真を見返してみても美しい。

このそばはこれだけでは終わらない。ツユ、これがバツグンにうまい。色の濃さほど塩気は強くなく、その分、ダシの旨味とコクを強烈に感じた。麺はやや細めで、絡み具合もバッチリ。これは手間を惜しまずに作られた一杯だ。

後から調べると、付近にはそばの名店も多いらしい。普段訪れるお客も舌の肥えた人が少なくないのだろう。立ち食いでこの価格帯であろうとも味には妥協しない。そんな満足な一杯をいただけた。

○筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。