日立は白物家電のプラットフォーマーを目指す

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 「白物家電事業のコンセプトを一新する」。日立製作所で生活・エコシステム事業統括本部理事の中村晃一郎統括本部長は、2月1日の記者会見で宣言した。インターネットやクラウドにつながる白物家電を「コネクテッド家電」として、多様化する消費者ニーズに対応するプラットフォームを構築する。

 白物家電事業の新体制は、中村統括本部長のもと、日立アプライアンスと日立コンシューマ・マーケティングの製造と販売が一体化。家の中と外を「アーバン分野」と定めて、スマートライフの実現に向けた家電のコネクテッド化を推進する。

 第一弾の「コネクテッド家電」として、大容量冷蔵庫「真空チルド R-HW60J」、ロボットクリーナー「minimaru RV-EX20」、IHクッキングヒーター「火加減マイスター HT-L350KTWF」の3カテゴリの製品を2月下旬から順次発売していく。

 日立が描く「コネクテッド家電」は、単にハードの付加機能を強化する白物家電ではない。ソフトウェアのダウンロードで機能や使い勝手が向上したり、顧客ごとの細かいニーズに対応する。具体的なイメージについて日立アプライアンスの徳永敏昭取締役社長は、「実現はまだ先だが、例えば洗濯機の節水モードよりも、あるお客様にとっては水量が多くても泥汚れがしっかり取れるモードを求めるケースもある。泥汚れに特化した洗濯モードがダウンロードできるようにしたい」と語る。

 プラットフォームでは、「コネクテッド家電」がインターネットを介して、日立のIoTプラットフォームである「Lumada(ルマーダ)」や Amazonのクラウドベースの音声サービス「Amazon Alexa」に対応したスマートスピーカーなど、外部パートナーのサービスと連携していく。Lumadaは、日立の家電だけに特化したものではなく、他社の家電製品ともつながるという。「コネクテッド家電をタッチポイントに、社外のパートナーと新たなサービスを提供していく」(徳永社長)。

 新しく発表した「コネクテッド家電」は、スマホでロボット掃除機の動きを操作したり、エラーコードの内容をスマートスピーカーで確認したり、300種類の料理レシピの火加減をIHクッキングヒーターに転送して指示する程度で、まだスマホ連携とスマートスピーカー対応の第1ステップに過ぎない。「18年度に2、3製品は発表したい」と徳永社長は対象カテゴリを広げる考えを示した。

 これまで国内家電メーカーのネットワークは、自社サービスの囲い込みを意識するあまり、排他的になりがちだった。オープンなプラットフォームをつくるには、外部パートナーのサービスとの積極的な連携が欠かせない。白物家電のプラットフォーマーを目指して、日立は大きく舵を切った。(BCN・細田 立圭志)