従来のフレキシブル太陽電池。18年内には発電効率を従来比1・3倍に高めた太陽電池を製品化する

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 TDKはIoT(モノのインターネット)機器の電源向けに、発電効率を従来比1・3倍に高めた太陽電池を2018年内に製品化する。わずかな光を活用する環境発電(エナジーハーベスティング)技術を用いた電源で、室内の照明光でも発電できる。工場内に分散するIoT機器の電源に採用すれば、バッテリーの点検・交換作業や導入コストを省ける。IoT機器のほか、ウエアラブル機器など多機能な電子機器に訴求する。

 製品化するのは、フィルム基板の非晶質シリコン太陽電池。光学設計や材料の改良により、効率的に電力を吸収できる工夫を施した。発電効率は現在の7%から約10%程度まで高める。電流を19マイクロアンぺア(マイクロは100万分の1)から25マイクロアンぺアに向上する。実験では、縦46ミリ×横30ミリメートルの製品に電圧3・8ボルトを加えた場合、従来の1・3倍の発電効率を実現した。

 厚さは0・2ミリメートル以下で、薄型化も実現する。またフレキシブルに曲げられるため、製品の湾曲部にも取付が可能なほか、電池自体も多様な形状に加工できる。甲府工場(山梨県南アルプス市)で生産する。

 IoT機器は普及が進むが、あらゆる場所に設置した場合、電源をどう確保するかという問題が生じる。また機器が点在すれば、バッテリー交換の作業負担も大きくなる。こうした中、エナジーハーベスティング技術に関心が集まる。「(同技術の発電効率を高めることで)太陽電池でセンサーや通信機器を起動させるだけの電力を確保できる」(TDKの担当者)という。