アングル:カナダドル、利回りスプレッドとの高い相関性が消失

写真拡大

[トロント 1日 ロイター] - カナダドルの対米ドル相場<CAD=>は、カナダと米国の2年物国債の利回りスプレッドとの高い相関性が今年に入って失われつつあり、投資家は証券投資の動向や原油価格などへの目配りが欠かせなくなっている。

カナダドル相場と利回りスプレッドの相関性が消失したのは、カナダと米国の中央銀行の金融政策の方向性が鮮明となり、投資家がドル売りの姿勢を強めたためだ。

TDセキュリティーズの外為戦略部門の北米ヘッド、マーク・マコーミック氏は「(カナダドル相場にとって)2年物国債の利回りスプレッドの重要性は低下するだろう。(利上げの)サイクルが予想できるようになっていることか、もしくは他の要因が相場を大きく左右しているからだ」と話した。

米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続けたにもかかわらず、ドルは昨年11月以降幅広い通貨に対して下落しており、ユーロなど他の通貨でも国債の利回りスプレッドとの相関性は低下している。

カナダドル相場は、カナダ中銀が昨年7月から3回の利上げを実施したことから、昨年下半期に利回りスプレッドとほぼ完全に連動し、投資家もこうした動きに慣れっこになっていた。

しかしスコシアバンクのチーフ通貨ストラテジストのショーン・オズボーン氏によると、その後は状況が一変し、カナダドルは利回りスプレッドとの連動性が完全に消滅した。

オズボーン氏の推計によると、カナダドルのフェアバリューは1米ドル=1.2950カナダドル近辺で、1日に取引された水準の1.2300カナダドルよりずっと低い。このことは米資産からの幅広い資金流出を示唆しているという。

市場関係者によると、投資家は欧州中央銀行(ECB)や日銀が大規模な債券購入プログラムを打ち切れば米ドル以外の資産への資金移動が世界的に起きると見込んでいる。

ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)の通貨ストラテジストのエリック・ネルソン氏は、債券市場は米国が他の一部主要国に先んじて景気上昇サイクルの終了に近づいていることを示しており、FRBの最近の利上げによるドル押し上げ効果は薄れていると指摘。「ユーロ圏やカナダとの比較で米国に資金を振り向ける理由が弱くなっているようだ」とした。

直近のデータに基づくと、カナダの債券・株式市場には昨年1─11月に1900億カナダドル以上が流入し、年間で過去最高を更新する見込み。

また原油価格の変動は開発プロジェクトの動きを左右するほど大きくないが、3年ぶりの高値をつけたことでこの数週間、カナダドルとの相関性が復活した。

クラリティ・フォレックスのディレクターのアモ・サホタ氏は「市場は足元でコモディティへの注目度を高めている。金利見通しだけに基づくとカナダドルはやや高すぎる」と述べた。

(Fergal Smith記者)