(c) 123rf

写真拡大

 前記のように、中小零細企業・個人事業主の利益率が向上するはずもなく、親会社が「吸い上げている」のが実態としてあるのだが、下請けは取引を止められるので、決して訴え出ることはできない。それどころか、親会社の社員は有利な立場を利用して、「袖の下」や「接待」を強要していることもある。また実質的「いじめ」なども起きている。「公正取引委員会」「労働基準監督署」「人権委員」の怠慢とも言えよう。

【前回は】:【理解が進まないトヨタ生産方式(2)】newspicksのコメントを取り上げてみよう(1)

 だから自動車メーカーとしての「実質購買率」は、トヨタと日産では違っているはず。しかし、下請けサプライヤーも実質的には、親会社のラインにつながる「サブライン」としてふるまっており、これが「トヨタ生産方式」の浸透を果たしている。「ジャスト・イン・タイム」はサプライヤーとの連結だけでなく、「工程間の連結」に要求されている機能だ。結果として「工程間の工数の差」が余分な在庫を生まない機能として作用し、資金量を削減している。その「工程間工数差」を解消するのが「カイゼン」の大きな働きで、「行程結合」で解消できることになる。

 この「ムダ」の解消方法は半世紀前から「ただ一つ」で、「行程結合」だけだ。どのようなムダの排除を考えても、工程を分けていなければ発生しないものだが、最高のコストダウンは「製鉄所と加工工場を連結し、ラインもつなげてしまうこと」だ。この方向を「提案した」のだが、40年前ではだれも理解できなかった。現代は受注から納品までつなげてしまおうとしているが、ここにグーグルなどの入る余地があり、IoTの本筋がある。受注生産に、より近づける試みだ。

 ここで大きなテーマは、「グローバル発注」か「系列」のどちらが「資金効率が良いのか?」だ。日産がトヨタに敗れたのがこの問題でもあり、今度は逆に「カルロス・ゴーン会長のグローバル発注」と「現在のトヨタの下請け」との勝負は、現在も続いている。トヨタの下請けがサプライヤーとして世界に売りに出ているのは、開発資金の回収を早め、日産などのグローバル発注メーカーの「開発資金回収の効率向上」についていこうとしているからだ。

 この意見を書き込んだコンサルはよく勉強しているのだろうが、「現実の社会勉強」が伴わないとコンサルも無意味になってしまう。「トヨタのかんばん方式」で「乾いた雑巾を絞る」と言われる批判がある点でもある。「概念」の革新ができないと「絞られる」と勘違いすることになる。「トヨタかんばん方式」の効果は「資金効率数千倍」とも考えられるので、概念が変わらないとついていくのが不可能になってしまう。既存の概念で仕事をしていると「絞られる」と強烈に感じることとなるのだ。