WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 ファーマーズ・インシュアランス・オープン(1月25日〜28日/カリフォルニア州)は、ジェイソン・デイ(オーストラリア)が月曜日の朝に持ち越されたプレーオフを制して、ツアー通算11勝目を挙げた。


およそ20カ月ぶりにツアー優勝を飾ったジェイソン・デイ(右から3番目)

 最終日、通算10アンダーで、デイ、アレクサンダー・ノレン(スウェーデン)、ライアン・パーマー(アメリカ)の3人がトップに並んでプレーオフに突入。ひとホール目でパーマーが脱落したが、デイとノレンの戦いはその後も決着がつかず、5ホールを終えたところで日没順延となった。

 翌朝に再開されたプレーオフのひとホール目。18番パー5のセカンドショットで、グリーンまで残り256ヤードのノレンは3番ウッドで果敢に2オンを狙った。だが、ボールはわずかに届かず、土手から転がって手前の池に落ちてしまった。

 一方、ティーショットを右のラフに入れたデイはレイアップ。残り85ヤードの第3打を、ロブウェッジでピンそば60センチにぴたりとつけて難なくバーディーパットを奪った。ノレンとのプレーオフは6ホールに及び、日をまたぐ熱戦となったが、この日はわずか14分での決着となった。

 2016年のプレーヤーズ選手権以来、およそ20カ月ぶりの優勝を飾ったデイ。彼にとって、この勝利には大きな意味がある。

 昨年の今頃、デイは世界ランキング1位だった。その後、2月にダスティン・ジョンソン(アメリカ)にその座を奪われると、昨季は未勝利に終わって、今大会までに世界ランキングは14位まで下降していた。

 その要因のひとつは、慢性的に抱えている腰痛。今大会でも、火曜日には復帰戦を迎えるタイガー・ウッズと9ホールの練習ラウンドを消化したが、前日は痛みがあってプロアマ戦を棄権している。

 さらに昨年は、母親のデニングさんの肺がんが発覚。今では手術を受けて回復しているものの、それまでは精神的にもつらい時期を過ごしてきた。

 そうした状況の中で、デイが今年掲げた目標は「世界ランキング1位を奪還すること」だった。今回の勝利は、それを実現するための、大きな第一歩となった。

 そしてもうひとつ、デイにとって大きな出来事が最近あった。スイングコーチであり、長年キャディーを務めていたコリン・スワットオン氏との”別離”である。デイが語る。

「コリンは僕にとって、唯一無二のコーチ。しかしそれが、キャディーとなってコースでも一緒にいると、どうもうまくいかないことが出てきた。こんなショットを打ったら、コーチがどう思うのか、とかね。だから、コリンにはスイングコーチに専念してもらう。これが、一番いい方法だと思った」

 スワットオン氏はデイが12歳のときからのコーチで、プロ転向後はずっとキャディーを務めてきた。いわば、デイは同氏と二人三脚で世界の頂点に立ったわけだ。これまでどおり、スイングコーチとしてチームの一員であることに変わりはないが、その関係は大きく変化することになる。

 それだけに、その決断の成否が今季は問われていた。

 その渦中、幼い頃からの親友ルーク・リードンを新たなキャディーに迎えたデイ。ただ、今大会にはアメリカでの査証が間に合わず、デイのアメリカでのホームタウンとなるオハイオ州コロンバスの友人、リカ・バディバサージを起用した。

 そうして、見事に優勝した。それはまさしく、デイが敢行したチームとしての一連の”決断”が間違っていなかったことの証明となった。

 ゆえに、デイにとって今回の勝利は、本当に意味のある、大きなものだったのである。

「チームでプレーを検証した結果、もっと(自分は)ショートゲームを磨く必要があるとわかった」というデイは、この大会の前にカリフォルニア州パームスプリングス郊外で2週間の合宿を行なった。

 そこでは、「ファーマーズの最終ホール、18番でレイアップしたときの第3打を想定して、ウエッジの調整を何度もやってきた」という。それだけにとどまらず、プレーオフが再開される月曜日の早朝にも、ウエッジショットを何度も打って調整するデイの姿があった。

「今のところ、腰の痛みはどうにもならないから、痛みを抱えながらも戦える方法で、なんとかやっていくしかない。でも(今回の優勝で)復活に向けて正しい方向に進んでいると確信した。これは、目標に向かっての新しいスタートだ」

 昨季の平均飛距離は306.2ヤード(19位)と、ツアーでもロングヒッターのひとりに数えられるデイ。その自慢のパワーだけでなく、今季は正確性を増した小技を自らの武器に加えて、目標の世界ランキング1位奪還を目指す。

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