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■コンビニも物販での「トヨタ生産方式」

 Newspicksに転載された財経新聞の上記記事に対するコメントからの引用(newspicks: 【豊田章男の戦い】製造が分らないメディア達(中) IoTの機能の使い方で勝負は決まる)

【前回は】【理解が進まないトヨタ生産方式(1)】世界に広がる「トヨタ生産方式」

“自動車の完成車メーカーの製造原価は、約7割が材料費、つまり部品購入費が占めている。なので、部品がジャスト・イン・タイムで入荷されることは、財務面からも生産効率からも良いと思う。この背景があるからこそ、完成車メーカーは製造原価低減を実現するため、部品メーカーへの強烈なコストダウン要請を依頼している。”

※アドバイス):まず、「自動車メーカーの部品購買率7割」との認識については、日本独特の「下請け制度」を誤解しているようだ。これは致命的誤解をしている。欧米のサプライヤーチェーンとの違いが大きいのはこの部分だ。トヨタ本社の経理上の処理としては「下請け」も購買だろう。しかし、トヨタ本社ラインと一体化しているのが下請けであり、トヨタから見た利用価値だ。2次、3次とつながる下請けの系列が存在する。それはサプライヤーというよりは「分工場」だ。トヨタ生産システムとして連動しているのだ。

 先日、ある会計事務所の出版計画をサポートする仕事を引き受けようとした。その時、『1980年代と2010年の企業利益率の比較で、大企業は2.73%から4.51%に大幅向上、小規模企業は1.19%から変わらず、“付加価値向上意識が小規模企業経営者は薄い”』と会計事務所では結論して広めようとしていることがわかった。「それは中小企業に対する偏見だ」と抗議した。

 このように購買率70%と信じてしまうのだが、世の中の実態を大人として理解しておいてくことだ。メーカーはどことは特定しないが、親会社は「下請けの決算書」を見て「値引き」していく。下請け企業はコストダウン努力を独自にして利益率向上を果たしたのだが、それを親会社は「ピンハネ」していくのだ。もちろん「公正取引法違反」だ。しかし、訴え出ることは「下請け」から外されるので出来るはずもない。また値引きの仕方も「金額一括ではなく」部品単価に割り振るので「証拠」はなく、通常の「値引き要請」で違法とはならない。

 また、下請けの従業員の給与水準は親会社の8割程度と不文律があり、それを超えると圧力がかかる。それで部品代金の高騰を抑えるのだ。だから残業時間2h/1日を含めて、実質賃金金額を合わせているのだ。そのため、生産増減に対して対応能力が下請けは極めてなく、忙しい時には長時間労働を強いられる。逆に仕事がない時は、下請けの従業員は手取りが不足して生活に困る。さらには年間休日も親会社を超えることは許されず、忙しい時は親会社が休日の時に「造り込め!」、つまり生産先行しろと「休日出勤」を迫ってくる。政府の進める「働き方改革」の裏の実情だが、これを意識できる大臣も官僚もいない。日本社会の負の実情だ。

 つまり、「下請け」は「親会社」にとっては「子分」であり、「生かさず殺さず」と「飼い殺し」状態にしているのだ。現代の「ブラック企業」と同じようなふるまいをしてきた。それが企業間の契約関係の実質的な姿であり、下請け企業の従業員は実質的に「労働基準法」の保護下にはないのだ。現代流行の「クラウドワークス・ランサーズ」などの進める契約関係も同じ状態だ。