「彼らは難民ではない。仕事を探しにきた侵入者だ」

イスラエル首相Benjamin Netanyahu氏は、昨年の8月に、紛争や迫害を逃れて来た難民について、こう言い放ったそうです。

賛否はあれど、程度の差はあれど、現在は多くの国が「難民の受け入れ」を表明しています。しかし、イスラエル政府は先の首相の発言に続く、支援活動に逆行しているとも言える政策を打ち出しています。

全世界を敵にしてでも
生き残る「イスラエル」

先日、イスラエル政府の管轄である「Population and Immigration Authority」は、“侵入者”を管理する監査官の求人広告を出しました。その仕事は、移民・難民を見つけ出し、取り調べをし、必要に応じて捕まえるという内容。さらに、応募の結果、選考された人には、約100万円の報酬を出すと約束しています。

イスラエル政府が「難民狩り」をするバウンティハンターを雇うと言い換えれば、分かりやすいでしょう。

難民援助活動をしている「国連UNHCR協会」の調べによれば、イスラエルには約27,000のエリトリア人、約7,700のスーダン人の移民・難民がいるようです。加えて、パレスチナ問題をはじめとした中東情勢の不安定化。

2015年には、難民の受け入れを問われた安倍首相が「女性と高齢者の活躍などの国内問題を優先する」という旨の発言をしました。イスラエル政府には、同じような考えがあるのかもしれません。

しかし、問題となっている求人広告の前に、彼らはこのような声明も発表しています。

2018年3月までにイスラエルを退去する“侵入者”には…
1、約38万円の付与
2、航空券の支給
3、渡航文書のサポート

要するに、移民・難民を国外に追いやるために、自主退去を推奨しているのです。

この政策に対し、「国連UNHCR協会」は、イスラエルに辿り着くまでに拷問や虐待、強盗を経験した難民たちの過酷な経験を紹介しながら、こう言っています。

「『お金を持っていると勘違いされるため、不安でしかたない』と難民たちは言っている。

UNHCRは、イスラエル政府と難民たちを保護できる代替案を見つける準備を整えています」

ホロコーストの教訓から、イスラエルは「全世界を敵に回してでも生き残る」という国家方針があるとも言われています。これが、彼らの移民・難民政策にどれくらい関係しているのかまでは判断できませんが、迫害の歴史を受け継いでいる彼らだからこそ、できる援助もあるのではないでしょうか。

Top Photo by Amir Levy/ullstein bild via Getty Images
Reference: Population and Immigration Authority(1), (2), UNHCR - The UN Refugee Agency, The Independent

先住民を迫害したアメリカの反省。

「インディアンを地獄に送れば200ドルの報酬」そんな時代から150年後のアメリカ社会で。

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