錦織圭【写真:Getty Images】

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復帰2戦目で優勝、海外から復調を認める声「トップ10レベルに肉薄している」

 テニスの世界ランク27位・錦織圭(日清食品)は下部大会のRBCテニスチャンピオンシップス・オブ・ダラス決勝で同158位マッケンジー・マクドナルド(米国)に6-1、6-4のストレート勝ち。ツアー公式ツイッターは、2大会目で復活Vを収めた錦織が復活の“黄金トロフィー”を手にした画像を公開し、「素晴らしいカムバック!」と祝福していたが、海外から「トップ10レベルに肉薄しているように見える」と復調を認める声が上がっている。

 1時間19分の戦いの末に、錦織が力強い復活を印象付けた。第1セット第4ゲームでブレークすると一気呵成に6-1で先取。そして、第2セットも順当に連取し、今季初優勝を収めた。ATPチャレンジャーツアー公式ツイッターは「2018年のテニスチャンピオンシップス・オブ・ダラスのチャンピオンは…ケイ・ニシコリ」と速報し、1枚の画像を公開した。

 マイケル・チャンコーチらと4人で並び、中央に立った錦織。手には黄金に輝く大きなトロフィーを両手で持ち、精悍な表情を浮かべている。一戦ごとに着実に課題を克服しながら、5試合を戦い抜いて戴冠を果たし、充実感がうかがえる。

 大会公式ツイッターは「ケイ・ニシコリが大会シングルス王者に! マッケンジー・マクドナルドを6-1、6-4を撃破した」などと速報。ESPNなどで解説を務めるジョン・ホーン氏も「ケイ・ニシコリが2010年以来となるATPチャレンジャー優勝。ダラスでの決勝でストレート勝利を収めた。100ポイントを獲得したが、世界27位は変わらず」とツイッターで7年ぶりの下部大会Vを伝えた。

下部大会参戦を支持「素晴らしい、本当に素晴らしい決断だった」

 当初予定していた全豪オープンは欠場し、下部大会を調整の舞台に選んだ。復帰戦となった1月のチャレンジャー・ニューポートビーチは初戦敗退したが、2戦目となった今大会は1回戦から着実に勝ち上がり、見事に優勝。日本人エースの復調ぶりに太鼓判を押す声も上がった。

 ポルトガルのスポーツ紙「レコード」のテニス担当ホセ・モルガド記者はツイッターで「お帰りなさい、ケイ」と投稿し、トーナメントが進むにつれ、トップ10レベルに肉薄しているように見える」と称賛した。

 世界4位まで登りつめた男が、かつての強さを取り戻しつつあると評価する一方で「チャレンジャーレベルを経て、復活することは素晴らしい、本当に素晴らしい決断だった。本当に必要とされていることだった」と分析している。

 右手首の負荷の高い全豪オープンなどのトップツアーではなく、試合勘とコンディションを取り戻せる、下部大会を復帰の場所に選んだ錦織陣営の選択も正解だったとみているようだ。

 12日開幕のニューヨーク・オープンでATPツアーに満を持して今季初参戦となる予定の錦織。故障の苦しみを乗り越えたエア・ケイの逆襲劇が幕を開けた。(THE ANSWER編集部)