その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやとも(26)。『ポップな心霊論』は、彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!
 
【幽霊だって、映画が見たい!?】
 
僕は映画を見るのが大好きなので、時間を見つけては映画館に足を運んでいます。2〜3年前に「めちゃくちゃおもしろい」という噂を聞きつけ見に行ったのが『マッドマックス 怒りのデスロード』。これまでのシリーズを見たことがなかったので、過去3作品すべてを見て、しっかり予習してから劇場に乗り込みました。
 
ネタバレになっちゃうので、くわしいことは言えませんが、とにかく衝撃的な内容で。キャラクターのコスプレで見に来てる人が多かったんですが、それくらいハマるのがわかる名作でした。
 
そして何より驚いたのが、映画が終わってエンドロールが流れると、劇場中の観客が立ち上がってスタンディングオベーションを始めたこと。たまたま外国人のお客さんが多かったみたいなんですけど、僕にとっては生まれて初めての経験でした。
 
しかも帰り際には、みんなハイタッチをしながら劇場を出て行くんですよ。テンションが上がっていたので、僕もやってみようかなと、隣にいた日本人のおじさんに向かって手を掲げてみました。
 
おじさんも「お、ハイタッチか」って感じで手を出してくれたんですけど、いざ手を合わせようとしたら“スカッ”て……。そのおじさん、幽霊だったみたいなんですよ。本人もびっくりしてたようですが、すぐ見失っちゃいました。
 
きっとあのおじさん、『マッドマックス』超見たかったんでしょうね。