「COLMINA」の開発陣

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 富士通は設計から製造、保守までモノづくり現場に存在するあらゆる情報をつなぐデジタルプレイス(共有の場)「COLMINA(コルミナ)」を開発した。IoT(モノのインターネット)をはじめ「つながるサービス」を起点として、新たな価値を創出する仕掛けを共通基盤として提供。安価で使い勝手の良いサービスをそろえることで「日本のモノづくりを支える中小の製造業を元気にしたい」(北島満樹産業・流通/第一ソリューション部長)という思いを具現化した。

 コルミナは、いくつかのビジネスの“顔”を持つ。全体像は仮想(IT)と現実(機械)が融合する「サイバー・フィジカル・システム(CPS)」や「インダストリー4・0」のような概念に近いが、肝となるのはデータを共通・流通させる仕掛けにある。

 クラウドを介してアプリケーション(応用ソフト)同士が連携する仕組みは他にもあるが、コルミナでは「いろいろな企業や人が集う場」(鎌田聖一ものづくりビジネスセンター長)を提唱。ユーザー同士が設備やノウハウを提供し合うことで、いろいろなビジネスが生まれる場づくりに主眼を置いている。

 コルミナの開発にあたっては、グループ会社も含めて10―20部門と調整。クラウド基盤や業種ソリューション、要素技術に加え、自社工場での実践ノウハウなどを集約した。それぞれは独立採算制で動き、本来は交わらない部門。これらを部門横断で取りまとめて「共通基盤上で動かすのは至難の業だった」(北島部長)。

 コルミナは2年がかりで製品化にこぎ着けたが、製造業のサービス化の支援はこれからが本番。コルミナを使えば一から作らなくても新サービスを迅速に立ち上げられる。

 こうした利点は「話をすれば理解してもらえるが、一口で伝えるのが難しい」(寺澤真紀インダストリアルIoT事業部長)のも悩みだ。機能拡充に向けて、人工知能(AI)連携なども強化する方針だ。
(文=斎藤実)