半ニートから高額所得者まで、常識人から異世界に住む人々まで、幅広い層が飲みに来る下北沢を中心に、「一人飲み歴10年以上」の私・きたざわ御神酒(おみき)が出会った、酒の席でのヨモヤマ話をご紹介します。

一人飲み女子の人生に激変が起きやすい「こじれ期」

30歳で一人飲みデビューした私、ふだんの社会生活とは全く別のプライベートな交友場・「一人飲み」を介して、それなりに楽しんでまいりました。

老若男女問わず、いろいろな世界に住む友人ができ、時に飲み屋以外の場所での時間を共にし、時にグループで旅行したりもし、時に飲み友達の社長さんの会社を見学させてもらったり、ある時は仕事をもらったり。私にとっては「一人飲み」のメリットはすごく多かった。デメリットは、過去の酒代を計算すると頭が痛くなること(私がのん兵衛だからですが)と、もらいタバコをしているうちにスモーカーになってしまった事くらいかな(といっても、タバコ、やめたいのになかなか……)。ともかく、平和で楽しい時期が6年は続きました。

そしてやって来た36歳。私の心に『ある予感』が出てきました。

『私、一生独身かもしれない』。

これ、別に36歳になって突然思った事ではなく、ずっと思ってきた事でもあるんですが。一人飲みするようになって『出逢い』の機会は圧倒的に増え、それなりに、ふられたり、ふったり……という事もありました。ただし、一度もカレシはできませんでした。全部『その前の段階』で終わった話。実は私、一人で明け方まで飲み歩くような女ですが、貞操観念がとても古臭く、男女の事には慎重すぎるタイプなのです。モテるタイプでもない、どちらかというと変人の部類だし。

女子・30歳の『一生独身かも』と、36歳のそれは、本人の中でのリアリティーが違います。私は特別子供好きでもなかったし、『子供を持ちたい』って意識も全くなかった。でも、これから好きになるかもしれない男性にとっては違うかもしれない。『子供を持つ』という人生の重要事項について、望む、望まざるに関わらず、自分という女性の状況がどんどん厳しくなっていく……という事実を、自分自身が強く意識しだしたわけです。

カレシも好きな人もいない、自分自身は子供についてはこだわりナシ、でも、実家の親は「孫の顔は見られないんだろうな……」って落胆してるかも。そんな意識に強烈なリアリティーが出てくる年齢・36〜7歳。これたぶん、多くの女性が『そんな空気』になる年代の、始まり年齢なんじゃないかと。今回、そういうお話をいくつかご紹介します。

付き合って1か月で結婚した女

付き合って1か月で結婚した女……それは、私です。それまで特に『婚活』してなかったのに、36歳の1年間、唐突に婚活に力を入れだし、お見合いパーティーだの友人の紹介だの頑張ってみたけれど、成果ナシ。並行して『一生、一人で食ってく』可能性も大なので、ものすごい仕事を増やしました。そして迎えた37歳当時、私は猛烈に仕事を詰めておりました。それでも、睡眠時間削ってまで一人飲みには出かけていた(笑)。だって、昼間には全く休みがとれないほど仕事詰めちゃって、プライベートな息抜きと言えば、バーで飲んだくれる時間くらい。いろいろ気持ちもこじれているので、マスターに愚痴をたれ、時に、同席したお客さんにカラみ酒……なんて事も。私の場合、カラみ酒をした自覚があると、後日その店に手土産持って謝りに行くので、まあ優しく迎えてもらえる事が多かったのですが、実はこの時期『出入り禁止』を言い渡されたお店も、1件出てしまいました。まさに『こじれ期』、『中2病』ならぬ『女37歳病』とでも申しましょうか……。

そんなダメダメ状態の私の前に、いつも感じよく、こちらの状態が悪い時には厳しく接してくれる男性が現れました。年下で、まだ20代のバーテンダー。私は、彼の店の常連ではなく、彼がプライベートで飲みに来る店で出会った常連客同士でした。

この時期の私、「今日はデカい仕事の依頼がきたから、1杯オゴッてあげるよ!」なんて、マスターや同席した若者客相手に調子に乗る事もありまして。大概の人は「やったー!ゴチになりまーす!」と乗っかって、その後チヤホヤ扱ってくれたりしたのですが。そのバーテンダーの彼は「俺は自分の酒を飲みに来てるから、そんな事しなくていいです」とキッパリ断り、こちらに『カラみ酒』させる隙を与えず、「いい仕事が来たのは、御神酒さんががんばって働いてるからでしょう?(そういうお金の使い方はどうかな?)」的な、さりげない諭しパンチを浴びせてきたりするのです。……という彼と付き合うことになり、その後1か月で入籍しました。

このスピード婚、今になって考えれば『女37歳病』でなければ、ありえなかったと思います。もし私がもう少し若かったら、「人柄はきちんとしてるけど、年も離れてるし、いろいろ先が見えない」と、付き合うに至らなかったと思う。だけど当時の私は『彼にカマをかけて告白させる』という、恋愛下手だったそれまでの自分には考えられない芸当をし、更に彼に「私はいい年だし恋愛体質でもないので、結婚前提でないなら、時間を割きたくない」と最初からぶっちゃけ、付き合って日も浅いうちにホントに結婚。

結果は良かったか?悪かったか?

正直、どっちとも断言できません(笑)。今も結婚してますが、別れ話も何回も出たし(笑)。子供を持ったので、お互いに「いい親でありたい」「できればパートナーといい関係を築いていたいから、納得できない部分は譲り合って、お互いを好きでいられるようにがんばりましょう」という感じです。

一か八かで出会いにつながることもあるけれど、オミキの場合は相当ラッキーですから。宝くじ一生当たらないレベルですから。

私の場合はそんな感じですが、『女37歳病』で、警察沙汰や、裁判沙汰になってしまった飲み仲間もいたりします。ドン引き?怖すぎ?な事件簿は〜その2〜に続きます。