by Johannes Marliem

2018年1月25日から開催されていた世界経済フォーラムでMicrosoftのサティア・ナデラCEOが「世界は急激にコンピューティング能力を失っている」という見方を示しました。現在社会が抱える多くの問題を解決するには量子コンピューティングが必要であること、そしてそのためにも「子どもにコンピューター科学を教えること」が最重要事項であると述べています。

Microsoft boss: World needs more computing power - BBC News

http://www.bbc.com/news/business-42797846

Microsoft boss suggests kids' classes for a quantum future - Tech Wire Asia

http://techwireasia.com/2018/01/microsoft-boss-suggests-kids-classes-for-a-quantum-future/

World is running out computer power, warns Microsoft boss Nadella | London Evening Standard

https://www.standard.co.uk/business/world-is-running-out-computer-power-warns-microsoft-boss-nadella-a3748501.html

ナデラCEOは地球温暖化に取り組むための方法として開発されている「二酸化炭素を吸収する触媒」の研究を例に出し、このような発見はコンピューターの処理力の増大なしではありえないだろうという見方を示しました。

コンピューターチップのパワーは毎年倍増するといするムーアの法則についてナデラCEOは「勢いを失っています」とした上で、「あらゆる人工知能を含め、我々が話題にしているような素晴らしい体験を生み出すには量子コンピューティングが必要になります」と語りました。



by Alexandru-Bogdan Ghita

そして、遠くない未来に人工知能は多くの人から職を奪っていくものと考えられており、自動化によって職を失った人は新しい職のために再教育を受ける必要が出てくるといわれています。しかし、ナデラCEOによると、このような「再教育プログラム」は求人市場の求めるところではなく「お金のむだ」であり、「労働市場がどこに向かっているのかを真に理解せず行われる」とのこと。人工知能は人々が職を失う原因というよりもむしろ「解決策」となり得るものだといいます。

ナデラCEOが最重要だと考えているのは「学校のカリキュラムを改革すること」。HackerRankが公開した「2018 Developer Skills Report」で、現在の子どもたちはそれまでの世代よりもコーディングを始めた時期が遅いことが明らかになっています。調査対象のうち45歳から54歳の回答者は16歳になる前にコーディングを始めた割合が47%だったのに対し、今日の18歳から24歳の若者が16歳までにコーディングを始める割合は20%だったのです。



このような調査結果を受け、ナデラCEOは「多くの学校のカリキュラムがコンピューター科学を数学や物理と同じぐらいに重要だと認識していないことは、ばかげています」とコメント。コンピューター科学を扱い、仮想現実に慣れたよりの子どもを多く学校から卒業させる必要があり、そのためには質の良いコンピューター科学を教えることができる中学校教師の存在が求められると語りました。