また、風邪を引き金に喘息を発症するケースも少なくない。注意が必要なのは、次のような点だ。
 「大人が喘息を発症した場合、よくあるのが、風邪は治ったのに咳が続く“咳喘息”。熱もなく喉の痛みもなくなったのに、咳だけが続いてしまう。患者本人も“風邪が長引いているのだろう”と思い込んでしまい、これもまた、医師が喘息であることを見逃すことも多いと聞きます。喘息には、咳のほかにもいくつかの特徴的な症状があります」(同)

 大まかなところでは、以下のような症状があるという。
●息を吸うと、のど元や鎖骨、みぞおち辺りがへこむ。
●ねばねばした痰が多く出る。
●寝た状態より起きている時の方が呼吸をしやすい。
●特に息を吐くときに苦しい。
●突如として激しく咳き込むことがある。

 このような場合は、とにかく呼吸器科かアレルギー科を受診したほうがいいという。
 「これらの症状は、やはり深夜か明け方に起きることが多いとされる。放置しておけば呼吸困難に陥り、気道や肺機能が低下、気道は慢性的な炎症状態になってしまうこともある」(同)

 昭和大学病院の呼吸器の担当医師は、最後にこう提言する。
 「咳込むことや息苦しさを、決して年齢のせいにしないことです。日常生活の中で喘息を誘発する要因を正しく認識し、改善すべきで、例えば、運動はもちろん必要ですが、寒い今の時期に外で行うことは注意が必要。運動すると呼吸が多くなり、冷たく乾燥した空気を多く吸い込むと気道が冷やされ乾燥して変化する。その結果、咳込んで苦しくなり、様々な症状につながってしまいます」

 大人の喘息を防ぐための対策として、専門医は以下のように話す。
 「まず、この季節は外出時や室内の気温の変化に対応した服装を心掛けること。そしてマスクの着用、うがい、手洗いで風邪を予防する。さらに睡眠をしっかりととって、ストレスを軽減することです」

 侮るなかれだ。