株式市場は、為替相場の動向に敏感になっている。先月24日に米ムニューシン財務長官が、世界の経済人が集うダボス会議(スイス)で「ドル安は良いこと」と発言。このひと言で、ドル円相場は一気に1ドル=108円台まで円高が進んだ。

 その後、トランプ大統領が「強いドルを望む」と火消しに走ったが、トランプ発言の効果は限定的で、ドル安・円高の流れは止まらなかった。

「1日は1ドル=109円台と若干円安に振れましたが、流れは間違いなく円高でしょう。1ドル=105円も視野に入ってきます。株式市場では“円高メリット銘柄”を探す動きが活発になってきました」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 大和証券が1月下旬に出した企業の為替感応度に関するリポートが市場で注目を集めている。1円の円高が企業収益にどのぐらい影響するかを分析。為替差益などの円高メリットを受ける企業をピックアップした。

■ソニーやTDKも円高がプラスに

 森永乳業や江崎グリコ、アサヒグループHDなど食品業界は、原料の輸入価格が下がるので円高メリットは大きい。王子HDや大王製紙なども同様だ。意外なのは、ソニーやTDKで、何と円高が業績にプラスに働くという。

「ソニーはこの数年、部品の調達などに工夫をこらし、円高でも利益を出せるような体制を整えてきました。今では円高メリット企業に変貌しています」(市場関係者)

 大和証券の試算によると、ソニーは1円の円高(対ドル)で35億円の収益増となる。TDKは同じく12億円増だ。

「円高の裏返しである“ドル安”にも注目すべきです。ドル安が顕著になると、原油などの資源価格が上昇傾向を見せます。要するに、資源を販売する企業の株価はドル安(円高)になると上昇するケースが多いのです」(株式評論家の杉村富生氏)

 銅スクラップを扱う黒谷や、建築廃材や廃車を収集するエンビプロHD、金属加工に強いフルヤ金属などだ。

「穀物価格もドル安になると上昇傾向を見せ始めます。この分野に強い商社の丸紅は狙い目でしょう。三菱商事、三井物産も人気高になるかもしれません」(杉村富生氏)

 市場が騒ぐ円高メリット企業は別表の通り。ハイパー円高に襲われる前に仕込んでおきたい。