町工場が技術×デザインで新境地を切り開く

写真拡大

 デザイン性の高い最新インテリアや雑貨、キッチングッズなどが並ぶ展示会「第85回ギフト・ショー春2018」。感度の高いバイヤーが買い付けのために目を光らせる中で、BtoBの中小企業が手掛ける製品が注目を集めていた。

陶器と金属両方を精密加工
 「best pot(ベストポット)」は三重県四日市で作られてきた陶磁器「萬古焼」を切削し、鉄鋳物の蓋とぴたりと合うように高精度加工した鍋。蓄熱性が高く、遠赤外線効果で食材の旨味を閉じ込めながら調理することができる。手掛けたのはMOLATURAという、三重県四日市市で切削加工業を営む中村製作所から誕生した企業である。中村製作所は航空機部品などの切削加工を担ってきたが、顧客の声を直に聞ける製品を手掛けたいと、2017年1月より鍋の開発を開始した。
 「空気以外は何でも削る」という同社の技術を生かし、加工の難しい陶器を高精度で切削できたという。2018年1月よりクラウドファンディングで発売し、4月からは一般発売を予定している。

ペットも子供もくつろげる家具
 工作機械の部品や筐体を製造する板金加工メーカー、北日本製工が展示するのは“いぬ”“こども”“おとな”がくつろぐことの出来る生活家具「Cornis(コーニス)」。自社の曲げ加工や溶接技術を活用し、優雅なカーブの造詣を実現している。ラインナップは机、椅子(机用)、2段式踏み台などの5点で、価格はセットで30万円(個別販売も対応可能)。机以外はすべて小型犬でも無理なく上り下りできる120mmの段差でそろえられている。本体はスチール製だが、天板には防汚機能PVC皮革でやわらかいクッションを覆ったものを使用。飲み物や食べこぼし、または犬の足跡などの汚れも簡単にふき取ることができる。

 「ギフトショーに参加するのは2度目。興味を示してくれる方も前回より増えてくれてありがたい」と中川元社長は手ごたえを語る。今後の課題は何度かバイヤー指摘された重量の問題。スチール製で頑強だが、その分女性や子供が動かすには負担が大きい。デザインや仕様を見直しさらなる軽量化を図っていくという。

環境に優しい未来の洗剤
 茨城県古河市の自動車部品製造業である宮本製作所が手掛けるのは、意外にも“未来の洗剤”。「洗たくベビーマグちゃん」はマグネシウムの粒が入ったメッシュの布製パックで、汚れた洗濯物と一緒に洗うと、汚れや臭いが取れ、除菌効果もあるという製品だ。マグネシウムを水に入れるとアルカリイオン水となり、皮脂などの汚れを浮かせて落とすことができるという。合成洗剤を入れる必要はないので人体にも環境にも優しい。洗濯槽や配水管の汚れも落とせる。

 5年前から開発を始め、3年前から販売しているが、今までに80万個を売り上げたという。「この商品の認知度が徐々に向上してきており、『下請けから脱却しメーカーになる』という当初の目標が達成しつつある」と宮本隆社長は話す。同製品以外にも、マグネシウム粒を封入した枕などの製品ラインアップを拡充し、百貨店などでも売り場を展開していくという。

 そのほかにも県や自治体などの産業クラスタでの出展では、「いままでにない販路と顧客を開拓したい」という声が多く、デザイナーとコラボレーションしてBtoC製品を作ったり、若手クリエイターを発掘したりするなどの事例が見られた。
またデザイン性と機能性の高い雑貨やテーブルウエアを企画販売する企業も「最近では新技術に挑戦してくれたり、小ロットでも対応する懐の深い中小企業が増え助かっている」と話した。