Image: Tom Scott/YouTube

パノラマスクリーンに囲まれたい…。

ロンドン市街地に最も近く、多くの人が利用するロンドン・シティ空港に新しい管制塔ができました。とはいっても、新しい塔を空港敷地内に立てたわけではありません。14台の高画質ライブカメラを駆使し、80マイル(約130km)ほど離れた遠隔地から指示を送るというものなのです。

滑走路を離着陸する飛行機を肉眼で(ときに双眼鏡を使って)確認しながらパイロットに指示をだす、というのが通常の管制塔の役割です。なのでライブカメラを使って遠隔からコントロール、と聞くと…どうしても不安がよぎりますよね。

しかし動画でTom Scottさんが説明しているように、このような「バーチャル管制塔」自体は小規模な空港であれば、ほかにいくつも存在しているようです。また、スクリーンで飛行機を確認できることにはメリットも。双眼鏡を使わずに拡大することもできますし、スクリーンで飛行機の情報をそれぞれタグ表示させることもできます。

とはいえロンドン・シティ空港ほど忙しい空港で、バーチャル管制塔システムが配置されたのははじめてのこと。安全の確保には慎重を期しているようです。カメラからのライブフィードは通常のインターネット回線ではなく、公のネットワークから完全に独立したケーブルを使って送信されるとのこと。また映像の遅れはコンマ何秒の世界だそうです。

14台のカメラ以外にも、パンやズームを行なうことができる追加のカメラが空港には設置されており、万が一メインのカメラのどれかが動作しなくなっても、それで補うことができるようです。また、スクリーンのどれかひとつでもフリーズした場合、スペアがただちに起動し、ほかのスクリーンと連動して適切なパノラマビューが再構築されるんだとか。雨が降ればカメラに圧縮空気が吹きつけられて水を飛ばし、ヒーターを内蔵しているのでレンズが曇っても大丈夫。なんらかの理由で全システムがシャットダウンしてしまったとしても、レーダーと音声のコミニュケーションを通じて管制を続けることができます。これは濃霧によって肉眼での管制塔の視界が非常に悪いときにも行なっている手法と同じで、問題はなさそうです。

ロンドン・シティ空港がここまでしてバーチャル管制塔を作るのには、ロンドン市街地との近さが理由のひとつです。建物が密集する市街地の近くにある空港内に、新しい施設を拡大・配置するのはなかなか困難ですが、130kmも離れたところであれば敷地面積の問題はなくなるとのこと。ビデオで取材を受けている担当者は言及してはいませんが、空港自体と管制塔が離れることでテロリズム対策、なんて側面もあるのかもしれません。


Image: Tom Scott/YouTube
Source: YouTube via Likecool

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)