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 今回は、日米欧の中央銀行の資産額と日経平均株価の関係から、2018年末の日経平均株価の水準を予想してみました。

■日米欧の中央銀行の資産残高の推移

 昨年までの株高は日米欧の中央銀行による資産買い入れ、いわゆる量的緩和政策によるところが大きかったと考えられます。したがって、日経平均株価がさらに上値をとっていけるかは日米欧の中央銀行の金融政策次第と言えそうです。本稿では日米欧の中央銀行の資産額と日経平均株価の関係から、2018年末の日経平均株価の水準を予想してみました。

 図1は米国の連邦準備制度(Fed)、日本銀行、欧州中央銀行(ECB)の資産残高の推移を、2008年12月末を100として示しています。2017年12月時点で見ると、Fedがおよそ2倍、日本銀行が4.2倍強、ECBが2.1倍強となっており、日本銀行の保有資産額の拡大が目立っています。

 Fedは資産買い入れを2008年から続けていましたが、2014年10月に新規の買い入れを停止し(再投資によって残高は維持)、保有資産の縮小を2017年10月から開始しています。ECBは量的緩和政策には消極的でしたが、2014年6月に資産買い入れに踏み切りました。ECBは2017年10月の理事会で資産買い入れの終了時期を2018年9月までとし、2018年1月以降は買い入れ額も半減すると発表しました。

 図1では日本銀行の資産残高の伸びが桁違いに大きく見えますが、金額で比較すると少し見え方が変わってきます。下の図2はFedとECBの資産残高を円換算して比較したものです。2017年12月時点でFedが約503兆円、日本銀行が約519兆円、ECBが約601兆円、合計約1,623兆円という規模です。日本銀行の資産保有額が円換算ベースでECBに追いついたのは2014年、Fedに追いついたのは2016年であり、スタートラインが低かっただけで日本銀行の保有資産額が突出しているわけではないことが分かります。

 なお、FedとECBの資産額は上下に振れていますが、これは為替レートの変動によるものです。2017年はユーロ高が進んだためにECBの円換算ベースの資産が増えています。

■資産残高の推移と株価の関係

 中央銀行が資産買い入れによって市場に資金を供給すると、自国通貨(ECBの場合はユーロ)は下落し、一方で株式などの資産価格は上昇すると考えられていますから、株式投資において「緩和は買い」と言えます。そこで日米欧の中央銀行の資産合計額と日経平均株価の関係を見たのが図3です。日経平均株価は日本株の指数ですから、日米欧の中央銀行の資産合計額と比べるのはちょっと違和感があるかもしれませんが、先進国の株式市場は連動して動く傾向がありますので、大局的に見る上で支障はありません。

 図3からはまさに「緩和は買い」ということが分かるかと思います。図3の関係をより深く見るために、下の図4では散布図にしています。横軸は毎月の日米欧の中央銀行の資産合計額、縦軸は毎月の日経平均株価です。図4では、資産合計額が小さいと日経平均株価の水準は低く、資産合計額が大きいと日経平均株価の水準が高くなるという関係が読み取れます。

 また、図4の散布図からは資産合計額と日経平均株価の関係式を求めることができ、この時期で見ると

 日経平均株価の水準 = 11.872 × 資産合計額(兆円) + 2773.1

という関係式によって日経平均株価の水準をある程度説明できることが分かりました。この関係式が将来も成り立つと仮定すると、例えば日経平均株価が25,000円、27,500円、30,000円となるには、資産合計額がそれぞれ約1,872兆円、約2,083兆円、約2,294兆円あればよいということになります。

小野田 慎[著]