ありえないような話に思えますが、言葉にしていないにも関わらず自分の考えが他人に伝わっているような経験は誰にでも一度や二度はあるはずです。ただし、あまりにも頻繁にそれが起こり、悩んでいるレベルであれば、それは「思考伝播」と呼ばれる症状を抱えているのかもしれません。頭の中の考えが他人に伝わると感じる「思考伝播」について紹介しましょう。

思考伝播とは

思考伝播とは精神疾患、統合失調症に見られる症状のひとつです。統合失調症の方には、他人の考えが入ってくると感じる「考想操作」、自分の考えが他人に奪われていると感じる「思考奪取」、自らの意思で制御できない思考がどんどん沸いてくる「思考即迫」といった症状があらわれる傾向があり、そのうちのひとつが、自分の考えが他人に伝わってしまっていると感じる「思考伝播」なのです。

思考伝播は、自分の声や態度から他人に考えが読み取られるのではないか、というものではなく、頭の中だけで考えていることが他人に直接伝わっているのではないか、と感じられてしまい、本人は非常に苦しい思いをしています。

思考伝搬及び統合失調症の診断

思考伝搬に特化した具体的な診断や治療方法等はないので、思考伝搬を伴う統合失調症を発症しているか否かが診断の基準となります。統合失調症は、幻覚・妄想・まとまりのない会話・緊張病性症状・うつ、気力低下、意欲関心活動性の低下などの陰性症状いずれかのうち、2つ以上が1ヶ月以上継続しているかによって診断されます。

思考伝搬のような症状、そして統合失調症のような症状に悩まされている方は、まずは精神科を訪れ、統合失調症の有無を診断してもらいましょう。統合失調症の場合、投薬治療、精神療法等にて回復を目指すかたちとなります。

思考伝搬を伴う統合失調症の原因は明らかとされていない

思考伝搬を伴う統合失調症という病気は、遺伝要因や、脳内のドーパミン過剰分泌、心理的ストレス等の環境要因などが原因の可能性として考えられていますが、その明確な原因は未だ明らかとされていません。とはいえ統合失調症の治療法はあり、統合失調症の克服に成功した方も多くおられます。

思考伝搬を伴う統合失調症が疑われる場合は、悩む前に一度精神科を受診してみることをおすすめします。早期発見が早期回復の第一歩です。最後に、睡眠不足が統合失調症と似た症状をもたらすこともあるようなので、病院での診療だけでなく、普段の生活の中での睡眠不足にも注意するよう心がけておいた方が良さそうです。


writer:サプリ編集部