宝くじ1億円当たり病院で検診、末期がんで死去

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米ニューヨーク州北部、シドニーという街にお住まいのドナルド・サヴァスターノさん(51歳)は、真面目で腕の良い大工さんとして知られていました。彼は新年を迎えたばかりの今年1月初めに、地元のコンビニエンスストアで購入したスクラッチ式の宝くじで、なんと一等賞の100万ドル(日本円で約1億900万円)に当せんしたのです。

米放送局ABCなどによると、インタビューを受けたドナルドさんは、「これで、人生が変わるよ、本当に」と喜びを表現。そして、そのお金の使い道を聞かれ、「そうだね、トラックを1台買って、それからバケーションにも行きたいね」、さらに残りは定年後の資金にするつもりだと語っていました。

そしてドナルドさんはもうひとつ、大切なお金の使い道を考えていました。

それはお医者さんに行くこと。最近ちょっと体調が良くないと感じていたドナルドさんは、検診を受けたいと考えていたのです。国民保険や社会保険の制度が日本と異なる米国では、前オバマ政権による医療保険制度改革により、全国民の医療保険加入が義務づけられたものの、いまだ医療保険を持たない人も多いのが現状。特にドナルドさんのような自営業の人々にそういったケースが見受けられます。そして、日本とは比べ物にならないほどの高額な医療費が心配で、病院に長年行かないでいる人が沢山いるという社会問題もまだ存在しています。ドナルドさんも、そんな一人だったのでしょう。

やっとまとまったお金が手に入ったドナルドさん。医療費の心配をしなくても良くなった彼がようやく訪れた病院で、医師が告げた言葉は、宝くじに当たったばかりで運が良かったはずの彼を打ちのめします。ステージ4の肺がんがすでに脳にも転移しており、予後はとても良くないというのです。定年をゆっくり過ごす計画を立てていたドナルドさんやその家族にとって、なんとも痛ましいニュースとなりました。

治療もすでに不可能と知ったドナルドさんは、直後にホスピスに入院。宝くじが当たった23日後に亡くなりました。51歳という、まだまだ働きざかりでの無念の死は、周囲にとってもショックであったことでしょう。しかし彼の真面目さを受け継いだご家族は、香典を辞退する代わりに、そのお金を全米がん協会に寄付をしてくれるよう、お願いしているそうです。