ブルームバーグ(Bloomberg)がTwitterで独占配信している、24時間ライブ動画ニュースチャンネル「TicToc by Bloomberg(ティックトック・バイ・ブルームバーグ:以下、TicToc)」が、公開から1カ月で早くも成功の兆しをみせている。

このニュースチャンネルでは、世界中にいるブルームバーグのスタッフがニュース速報を配信。動画や写真を投稿したり、Twitterユーザーを対象にアンケート調査を行ったりしている。ブルームバーグによると、1日あたりの視聴者数は平均75万人、1日あたりの視聴回数は平均100万回だ。また、今後数カ月間で、1日あたりの視聴者数を200万人にする計画だという。12月18日のローンチ以来、ツイートのインプレッション数は5000万に達している。だが、ブルームバーグによれば、現在追跡している測定データでもっとも興味深いのは、TicTocアカウントのフォロワー数だという。その数は、現在11万9000(1月26日現在)に達している。

「Twitterは非常に断片化したプラットフォームで、実に多くの意見やパブリッシャーの投稿が飛び交っている」と、ブルームバーグメディア(Bloomberg Media)のデジタル部門でグローバル責任者を務めるスコット・ヘイブンズ氏はいう。「ユーザーとの関係を構築するにつれて、我々をフォローしてくれているユーザーとつながる能力は大きく向上している。重要な目標は、その数を増やすことだ」。

「TicToc」とは何か?



平均的なユーザーは、訪問あたり滞在時間が2分に満たないものの、1日に何度もTicTocに戻ってくる。したがって、滞在時間はまだ重要な測定基準ではない。ブルームバーグは、Twitterのポリシーを理由として、ユーザーが戻ってくる頻度やTwitterとの提携の金銭的条件を明らかにしていない。

TicTocは、ブルームバーグの専門分野であるマーケット関連や金融関連のニュースより幅広いトピックをカバーしている。ターゲットは、25〜35歳の若いオーディエンスだ。人気の高い記事には、レッドカーペットイベント、スペースエックス(SpaceX)の「ファルコン9(Falcon 9)」ロケットの打ち上げ、冬季オリンピックなどがある。TicTocのオーディエンスは半数が米国外からアクセスしているため、TicTocでは米国の最新の政治ニュースに偏りすぎないようにしている。

TicTocの投稿には3つの種類がある。1時間ごとに配信される5分間のグローバルニュース、一連の事件や出来事を詳しく知ることができる関連動画、そしてライブ動画だ。ライブ動画の配信中には、情報をリアルタイムで取り上げ、関連のツイートや投票結果などを紹介する。たとえば、ダボス会議で英国のテリーザ・メイ首相をライブで取り上げながら、ボリス・ジョンソン外務大臣のツイートを紹介するというようにだ。なお、モバイルデバイスは画面が小さいため、TicTocではキャスターの顔を映さないようにしている。

すでにスポンサーも



Twitterは現在、BuzzFeed、チェダー(Cheddar)、グローバル(Global)といったメディア企業と提携している。BuzzFeedは、2017年9月から「AM to DM(エーエム・トゥ・ディーエム)」という1時間のニュース番組を毎朝配信。10月には1日あたりの閲覧回数が平均で100万に達したことを明らかにした。一方、チェダーは、すべてのプラットフォームを合計した閲覧回数が1カ月あたり2億〜2億5千万に上ると主張。そのうえで、ソーシャルネットワークのなかでTwitterをもっとも重要なライブ配信パートナーだと述べている。現在、ブルームバーグのTicTocのTwitterアカウントは、AM to DMとチェダーの各アカウントより多くのフォロワーを抱えている。ただし、ヘイブンズ氏によれば、ブルームバーグは同社の所有するメディアやTwitterなどを通じ、かなりの費用をかけてTicTocを売り込んでいるという。

SnapchatやApple Newsなどのプラットフォームと同じく、Twitterにとっていまはパブリッシャーに近づく好機といえる。Facebookがパブリッシャーを失望させているからだ。「ほぼすべてのパブリッシャーが、プラットフォームとの関係に失望している。だが我々は、いい意味で驚かされる状況が続いている」と、ヘイブンズ氏は話す。「プラットフォームとの提携を成功させるには、双方がメリットを得られる金銭的条件にする必要がある」。

TicTocのローンチにあたっては、AT&T、インフィニティ(Infiniti)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)など、複数のブランドがさまざまな形でスポンサー契約を結んでいる。そのため、ブランドのメッセージがTicTocの投稿に挿入されたり、ブランドの提供するセグメント動画(短時間の区切られた動画)が番組に挿入されたり、番組のエンドロールにスポンサー名が表示されたりする。また、スポンサーは、広告マネタイズ製品の「Twitterアンプリファイ(Twitter Amplify)」を通じてTicToc動画の広告枠を購入している。ウォールストリート・ジャーナル(The Wall Street Journal)によると、広告枠の値段は150万〜300万ドル(約1.6億〜3.2億円)だ。ヘイブンズ氏の話では、現在の数字から判断すると、TicTocは1年目で収支が釣り合うか、利益を上げる可能性が高い。

広告以外の領域にも



さらに、TicTocでは広告モデル以外の領域も視野に入れているとヘイブンズ氏はいう。そのため、TicTocはTwitterの枠を超えて広がることになりそうだ。「我々はTwitter上だけでなく、世界を見据えて次世代のニュースネットワークを構築しているところだ」と、同氏は述べている。「我々はプロダクトをさらに展開し、リニアTV(従来型のTV)のような感覚を提供しながら、最新のアプローチでリニアTV的なユーザーの流入をもたらす番組を作るつもりだ」。

ブルームバーグでは、4月末までに、ニューヨーク、ロンドン、香港のオフィスでTicToc担当スタッフをさらに10名ほど増員し、制作、編集、オーディエンス開拓、ソーシャルメディアなどを担当してもらう計画だ。これにより、TicToc専門スタッフの数は50名程度に増える。TicToc向けの仕事をしている記者は世界中にいるが、今後はロンドンと香港のオフィスが、それぞれのタイムゾーンでさらに多くの番組制作を担うことになる。ブルームバーグはすでに、BuzzFeed、Vice、CBSインタラクティブ(CBS Interactive)、チェダー、NowThis(ナウディス)の元従業員をTicTocのチームに迎えている。

Lucinda Southern(原文 / 訳:ガリレオ)