探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントについても語ります。

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今回の依頼者は松本直美さん(仮名・39歳)。都内のシステム会社でSEとして働いています。いかにも理系女子といった雰囲気で、長身にグレーのスーツ、黒レザーのトートバッグ、黒のローヒールパンプス、セミロングを1本に結び、赤いフレームのメガネをしていて、堅実な雰囲気の女性です。

「大手シンクタンクに勤務する夫と結婚して12年、気性が激しい夫と結婚してから毎日がハードで。料理が気に入らないとテーブルを叩いて自室に籠ってしまうし、私が仕事の相談をすると“俺も疲れているんだよ”とドアを蹴ったりするんです。先日は、近所に住む夫の母親の介護を私に押し付けようとしたから、さすがに私もキレました。 “冗談じゃない!私ができるわけがないでしょ!”と怒鳴ったら、テレビを壁に投げつけて壊してしまったんです。まあ、体格も私の方がいいし、腕力も私のほうが強いのでモノで威嚇するしかないのでしょうけれど。ちなみにウチの夫、テレビは過去に4回くらい投げています」

直美さんは身長170cm、体格もよく学生時代はソフトボール部の主将だったそうです。でも、なぜそんな旦那様と結婚しているのでしょうか?

「学生時代から付き合っていることと、他にいい相手もいなかったので。私も夫も恋愛体質じゃないというか、ときめきたいとかキュンキュンしたいという願望があまりないんです。お互いに嫌じゃない相手だから結婚したのだと思います。でも、1か月前から夫が英会話の勉強を始めたあたりから、ソワソワしだしたので怪しいと直感。夫の部屋にあるPCを調べたところ、Facebookメッセンジャーのやりとりを発見しました。そこには、ハートだらけのメッセージや、2人で旅行の計画を立てているラブラブなやりとりが残されていました」

過去に行った旅行は3回。その日程をチェックすると、旦那様が地方出張だと2〜3日留守にした日程とカブっていたといいます。行先は沖縄、出雲大社、北海道だったそうです。

「私と旅行なんて結婚12年間一度も行ったことがないくせに、彼女とはホイホイ行っている。あまりに悔しかったのでこのやりとりの画面は、スマホで撮影。夫に詰め寄ったところ、“画像を消せば話してやる”と言われたので、バカ正直にも消してしまったのです。もう私のバカ!バカ!」

悔しさのあまり、目を真っ赤にしながら話す妻が語る相手の女性の正体は?

「夫の相手の女性は、私のFacebookの友だちの友だちでもあるSE女性です。夫は、理系の女の子がそもそも好きなんです。それは大学時代に演劇学科の子と激しい恋愛をしたことが、トラウマになっているからなんです。SE女性とは仕事の話をするついでで、盛り上がって旅行に行ったけれど、恋愛関係はないと断言されてしまいました」

その後、証拠となる画像を消したことを悔やんだ直美さんは、旦那様が出すゴミの全てをチェックしたそうです。後ろめたいものはすぐに捨てるという、旦那様の性格を知った上で行なったとか。

「メッセンジャーが発覚してからこの間にも、ラブホテルの領収証、膣洗浄剤、花束のレシート、セクシーな下着店のレシート、映画の半券などいろいろなモノが出てきて、そのすべてを保管しています。夫は文化的なモノに興味を一切示さないので、1人で映画を観に行くなんてことは絶対ありません」

今回は、こっそりと証拠集めをしたそうです。というのも、直美さん自身が本気で離婚を考えているから。

「ここ数年間、夫との会話はケンカです。日常会話をしていたのに、知らぬ間にケンカになっている。気が付けばテレビやら食器が投げられて、家が廃墟みたいになっている。その原因は夫が知ったかぶりをして、解決策を偉そうに提示するから。黙って“ふーん、そうだね”と聞いていると際限なく喋るくせに、私が反論するとキレる。若い頃は聡明でカッコいいと思ったのですが、大人になった今では、幼児の万能感が捨てられない情けない男だと思います。あとは、なぜ私が我慢ばかりし続けなければならないのか。夫ばかり知らない女とイチャついて楽しそうにしているのが、心底腹立たしい。私ばっかりソンをしていて、何のために生きているかわからい。マザコンのくせに母親の介護を私に押し付けるし。あんなくだらない男を12年も世話していた私の時間を返してほしい!」

流れる大粒の涙を、トートバッグから引っ張り出した力士柄の和手ぬぐいで拭いています。

「離婚となったら、この12年の慰謝料に見合う相当なお金をいただき、夫と相手の人生をブッ潰してやりたいです。そのための証拠を確実におさえてください」

そうおっしゃる直美さんの期待に応えるために、調査に入りました。

義理の母親とは気が合うけれど、夫との関係が悪化してからは好意的に思えなくなった。定期的に家に行って世話をするのは負担だと感じている。夫は実家でもテレビを投げていたらしい。

※本連載はプライバシーに配慮し、体験内容を変えない程度に一部書き換えています。

彼女の自宅から数分圏内で行なわれた愛のフルコース、倒れた椅子と深まる愛…… 〜その2〜に続きます。