「流行ってる感」でアジアを席巻したOPPO。同様の戦略で日本でも躍進するか:旅人目線のデジタルレポ 中山智
旅人ITライターの中山です。1月31日にOPPOの日本市場参入記者発表会が開催され、同社のフラッグシップモデル「R11s」の発売が報じられました。アジア各地をよく旅して回っている筆者としては「あのOPPOがついに日本に来たか!」という印象です。OPPOは日本において「OPPO Digital Japan」として、UHD BDプレーヤーやポータブルアンプなどオーディオ製品の市場には参入しており、AVマニアにはすでに知名度があります。しかし、スマートフォンメーカーとしては、日本での認知度はけっして高くありません。

ですが発表会でもアピールがあったとおり、世界のスマートフォン市場では第4位、アジア圏だけでみると第1位のシェアを誇っています。また端末単体でも「R9s」と「R11」は販売台数で世界No.1を獲得しているほど。



となれば、なぜここまで世界各国でOPPOが躍進しているのか、という点が気になるのではないでしょうか。

まずは、従来発売してきた端末の性能や機能、そしてユニークさやクオリティーが高かったことが理由です。

たとえば2012年にはセルフィーブームをキャッチして「ビューティーモード」をいち早く搭載したり、2013年にはインカメラでもメインカメラと同じ画質で撮影できるよう、カメラ部分が回転するモデルを投入したりしています。




とはいえ端末の良さだけでは、簡単にシェアの拡大はできません。OPPOが世界各国、特にアジア圏でシェアを拡大しているいちばんの要因は「流行っている感」を強烈に打ち出す広告戦略です。

OPPOのシェアが伸びている東南アジア圏を歩いていると、特に目につくのがOPPOの屋外広告物です。到着した空港から鉄道のホームなどの公共交通機関、ビル内のポスターや屋上などに設置された巨大な看板。さらにはラッピングバスやタクシーなどなど。人が立ち止まって視線を向けた先には、かなりの確率でOPPOの看板が目に入るイメージです。




また東南アジアではSIMフリー端末にプリペイドSIMを組み合わせる販売形態が一般的なため、キャリア自身が端末を販売するよりも、いわゆる街の電気屋さんやスマートフォンショップなど小規模な店舗で購入するケースが多く、街中にはその手の販売店が数多く営業しています。

OPPOはこういったショップに対して販促品となるポスターや看板、什器などを大量に投下しており、一見すると「OPPO専門店」のような雰囲気に仕上がっているショップもよく見かけるのです。

筆者はこういった広告展開をアジア圏でよく見かけていたため、「あのOPPOがついに日本に来たか!」という印象を持った......というわけです。




このように街中へ大量に広告を出して「流行っている感」を演出することで、本当に流行らせるという手法は、日本でも新日本プロレスを買収したブシロードが行い、手法に関しては同社社長がインタビューなどで公言。実際にプロレス人気を高めてさせています。

今回、OPPO Japanの代表取締役に就任した膠辰(トウ ・ ウシン)氏は、インドネシアやマレーシア、シンガポールなどOPPOが躍進している国々を担当してきた、いわば「流行っている感」の演出を推し進めてきた人物。

今回の発表会も会場は表参道ヒルズと、日本でも有数のオシャレスポットを選び、発表会開場前から表参道ヒルズ内で写真展を開催し、屋内には巨大なポスターを掲示するなど、日本でも「流行っている感」を押し出していく戦略が感じられます。




それでは日本でもOPPOが躍進するかどうか。自分はこの広告戦略に加えて、やはりその国特有のニーズにも合わせる必要があると思います。今回の発表会で気になったのは、端末についての説明に関して。よく言えば大陸的なおおらかさ、悪く言えば細かいところは気にしない適当さがありました。



たとえば「R11s」の特徴となるカメラ機能ですが、メインカメラはデュアル仕様で1600万画素の通常センサーと2000万画素の高感度センサーの組み合わせになっています。この2000万画素のほうはフォトセンサーの有効面積を4倍に拡大することで受光量を増やして感度を上げる仕組みという説明でした。



こういった手法はほかのメーカーでも採用されていますが、この方法を使うと実際の画素数は4分の1になるため、2000万画素なら500万画素相当の解像度になるのが一般的です。ですがR11sの実機で確認したところ、明るい場所で撮った写真も暗い場所で撮った写真も最終的に書き出されるJPEGの解像度は同じでした。このあたりの技術的な説明ができる人が発表会の会場にはおらず、確認できずじまいに。



また発表会でのプレゼンでも、OPPO端末同士で写真などを高速で送ることができる「O-Share」という機能について、「Wi-Fiを使わずにBluetoothの100倍の速度」という説明で紹介していますが、それではどんな通信規格を使っているのか? に関しては詳細な説明がないまま。

基本的にはWi-Fi Directをベースにした技術だとは思いますが、Wi-Fiを使わずにとはどういう意味か? と尋ねてみたのですが、このあたりも説明を聞くことができませんでした。



「現実にキレイに撮れるし、早く転送できるんだからいいじゃないか」という話かもしれませんが、日本の場合特に声の大きなアーリーアダプター(自分も含めてですが)は実際の性能だけでなく、その技術的な背景を理解したがる人が多いのは確か。

こういったニーズにも応えていけると、日本でもOPPOが躍進するのではと思います。