Facebookは、パブリッシャーたちを混乱させ続けている。まず、フィードにおけるニュースの表示優先順位を下げると発表し、続いてニュースメディアの信頼性をランク付けするようユーザーに求めると表明した。このニュースはすぐに物議を醸し、フィードに表示されるコンテンツの管理責任をFacebookが再び放棄しようとしている、との批判の声が挙がった。人々の意見がかなり二極化しているときに、専門家ではなくユーザーに正当なニュースかどうかを判断させる妥当性についても、疑問の声が挙がっている。

ファイナンシャルアドバイザー向けパブリッシャー、インベストメントニュース(InvestmentNews)のソーシャルメディア&エンゲージメント担当編集者である、スコット・クレインバーグ氏は次のように語る。「米国人の40%はCNNが大嫌いで、企業関係者以外に知られていない当社のようなパブリッシャーもある。ニューヨーク・タイムズ(New York Times)やBuzzFeedなら誰もが知っているが、もっと小規模なパブリッシャーはどうなるのか?」。

下記は、Facebookがニュースフィードでパブリッシャーをランク付けしようとしている件について、知っておくべきデータだ。

主要なデータ



4%:Facebookによると、ニュースフィードに占めるニュースの割合は、改変後に5%からさらに低下する。
67%:調査会社であるピューリサーチセンター(Pew Research Center)によると、2017年8月の時点で、少なくとも一部のニュースをソーシャルメディアで得ている米国の成人の割合は、前年の62%から増加した。また、よく得ると答えた成人の割合も、18%から20%に増加。
27%:効果測定企業のチャートビート(Chartbeat)によると、外部の参照トラフィック元に占めるFacebookの割合は、年初の35%から27%に低下した。
47%:チャートビートによる、外部の参照トラフィック元に占めるGoogleの割合。
15%:チャートビートによると、2017年のこの3カ月間に、Facebookからパブリッシャーへの参照トラフィックは15%減少した。
9%:ニュースフィードで信頼できるニュースを優先する意向を発表した日に、Facebookの株価は9%上昇した。
42%:米PR企業エデルマン(Edelman)による、ニュースメディアを信頼する米国人の割合。2017年の47%から42%に低下した。

Facebookの見方



ニュースの格付けを手伝うようユーザーに求めれば、Facebookでのユーザーの滞在時間が減少している時期に、ユーザーの意見を気にしていることを示すことで、評価を得ることができる。「信頼に値するニュース」に関する発表(2018年1月18日の発表)があったその日に、Facebookの株価が急騰したことからもわかるように、少なくとも投資家たちはこの発表を受け入れている。

また、Facebookからすれば、同社をコンテンツ配信業者ではなく、メディア企業として捉える見解を避けることもできる。Facebookに対して批判的な人々は同社に対して、自分たちのことをフィードに表示されるコンテンツに関して編集判断を下し、責任を負うメディア企業だと認めるよう、長年呼びかけてきた。だが、そもそもFacebookを厄介な事態に陥れる一因となった、偽情報の拡散にユーザーがひと役買ったことを考えれば、調査によるニュースの信頼性担保に踏み切るのはリスクが大きい。

パブリッシャーの見方



こうしたことが、Facebookの(ユーザーに対する)善意によるものと仮定すると、パブリッシャーにとって、多くの予期せぬ事態が起きる可能性がある。Facebookはまず、そのニュースが信頼に値するどうかは、ユーザーがニュースソースに精通しているかどうかを基準とすると述べている。そうなると、ジャンルを特化して長年存在してきたリーチが広範なパブリッシャーに対して先入観を持たせたり、同じくらい信用できるが、それほど有名ではないパブリッシャーを急浮上させたりすると思われる。

また、Facebookは対話を促進する投稿を後押ししたいと述べているが、そんなことをすれば、エンゲージメントが高い傾向にあるフェイクニュースや、扇情的なニュースの拡散を促進しかねない。また、それほど信頼されていないFOXニュース(Fox News)のような、偏向したニュースメディアをFacebookがどう扱うのかも疑問だ。

今後の見通し



Facebookウォッチャーは今回の発表で、当初よりも、その不透明感と混乱度合いはさらに増したという見方をしている。具体的な施策や、各ニュースメディアの得点を公開するかどうかについても、Facebookはほとんど言及していない。より明白になる可能性があり、提案を受け付けるとFacebookは認めているが、同社に大きく依存しているパブリッシャーにとっては、不安な状況が続いている。また、いくつかのパブリッシャーはすでに、くだらないコンテンツやエンゲージメントベイト(エンゲージメント稼ぎ)のコンテンツでニュースフィードが溢れるなか、あまり信頼のおけないニュースを目にしているという。

また、ニュースフィードの変更が自社メディアにどう影響するかを理解するのには、数週間は必要だと語るパブリッシャーもいる。いずれにせよこれは、Facebookに振り回されることが、大手テック企業である同社にこれからもついて行こうと時間を費やすよりも、Facebook以外での持続可能な事業の時間を掛ける方がいいことを意味する、もうひとつの兆候だ。

「方針の不透明性のほかにも、問題はある」と、USAトゥデイ・ネットワーク(USA Today Network)の広告販売およびブランド提携担当プレジデントを務める、マイケル・カンツ氏は語る。「Facebookは大きな不満の元だ。彼らが推し進めていく変化に、いちいち腹を立てる気も失せた」。

Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)