インフルエンサーマーケティングにはフラウド(虚偽)の問題がつきまとう。ブランドがキャンペーンで依頼したインフルエンサーが偽物なことは少なくないし、たとえ本物でも、フォロワーを増やすためボットを利用しているケースもある。インフルエンサーエージェンシーですら、担当するインフルエンサーアカウントの水増しに加担していることがある。

スマッカー(Smucker's)、ジフ(Jif)、ピルズバリー(Pillsbury)、ダンキンドーナツ(Dunkin’ Donuts)、フォルジャーズといったブランドの親会社のJMスマッカー(The J.M. Smucker Co.)はこうしたフラウド対策に努めている。インフルエンサーマーケティングとテクノロジー会社アハロジー(Ahalogy)の力を借りて、インフルエンサーコンテンツの開発と本物のオーディエンスへのリーチを行っているのだ。

アハロジーは過去に同社が活用してきたインフルエンサーのなかに実際どれほどのフラウドがいたかは明かしていないが、インフルエンサーによるスポンサード投稿のうちフラウド関連の通信量は現時点で98%減少したという。そしてJMスマッカーの投稿のうち、フラウドの閲覧数は全体の1%に満たないとのことだ。

モートの技術を利用



JMスマッカーのショッパー・マーケティング部門のシニアマネージャーを務めるジョッシュ・ウィリアムズ氏によると、同社がデジタルフラウドの問題を意識するようになったのは、ボットによるバナー広告の自動クリックが問題の主流となっていた2015年のことだという。昨年、同社はインフルエンサーの偽物のフォロワーに焦点を移した。カスタマーとの繋がりにインフルエンサーを活用することが増えたためだ。

どのインフルエンサーが本物のフォロワーを持っているのかを確認するため、アハロジーは広告測定・監査企業モート(Moat)のトラッキング技術を活用し、キャンペーンの前、最中、後でインフルエンサーのアカウントを監査している。それでもインフルエンサーのアカウントがボットやフォロワーの購入により水増しされる可能性は残っている。そのため、アハロジーが保証しているのはメディアのスポンサード投稿によるインプレッションとサイト訪問者のみだ。たとえばサードパーティのサービスが検証したFacebookやインスタグラムのプロモーション投稿などがこれに当たる。

とはいえ、いまでもアハロジーは、インフルエンサーへ自分たちのフォロワーに向けてJMスマッカーのコンテンツを共有するよう促している。その場合、非スポンサードコンテンツへのクリックスルーがあった場合、自動的にボーナスのインプレッションを計上しているという。

成功事例では0.72%



昨年7月にJMスマッカーはアハロジーと協力して、ダノン社(Dannon Co.)とともにインフルエンサー主導のキャンペーンを実施。このときベイキング・ア・モーメントというブログを書いているブロガー、アリー氏にスポンサード投稿を依頼したが、これについても事前に彼女のサイトにボットや偽物のフォロワーがいないことを確認している。

この投稿は、朝食向けのトリプルベリーハニーヨーグルトのチーズケーキについての記事だったが、アハロジーによると、9187の閲覧数のうちボットによる閲覧数は0.72%にとどまったという。アハロジーによると、JMスマッカーが同じようにブログのスポンサード投稿を依頼したときは、フラウドの閲覧数が50%近くにものぼったこともあった。

ウィリアムズ氏は、「当社のコンテンツを、当社の製品を使ってもらえる人に実際に見てもらいたい。偽物のボットにキャンペーンを汚されたくはない」と語る。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)