開始11秒の電光石火弾でスパーズがユナイテッドを粉砕! サンチェスはほろ苦いリーグデビュー戦に…《プレミアリーグ》

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プレミアリーグ第25節、トッテナムvsマンチェスター・ユナイテッドが1月31日にウェンブリー・スタジアムで行われ、ホームのトッテナムが2-0で勝利した。

▽現在、公式戦8戦無敗(5勝3分け)と好調を維持する5位のトッテナム(勝ち点45)だが、直近のリーグ戦ではサウサンプトン、FAカップ4回戦では4部のニューポート相手に低調な2戦連続ドローと調子が下降気味。今節からはユナイテッド、リバプール、アーセナルとの強豪3連戦、13日にはチャンピオンズリーグ(CL)のユベントス戦と重要な4連戦(7日にニューポートとの再試合)を控える中、連戦の初戦に臨んだ。ニューポート戦からは先発5人を変更。体調不良から回復した守護神ロリス、エリクセンがソン・フンミン、デレ・アリと共に先発に復帰した。

▽一方、試合内容に不満はあるものの公式戦5連勝と復調気配の2位のユナイテッド(勝ち点53)は、今冬の移籍市場終盤にMFムヒタリアンとのトレードで大物FWサンチェスをアーセナルから獲得。そのサンチェスはデビュー戦となったヨービル(3部)戦でいきなり2点に絡む活躍をみせ、上々のスタートを切っている。そして、赤い悪魔の新7番は奇しくもかつての宿敵を相手にユナイテッドでのリーグデビューを先発で飾った。

▽今冬の移籍市場最終日に行われた今節屈指の好カードはキックオフ直後にいきなり動く。開始11秒、キックオフのボールを後方に送ったトッテナムはヴェルトンゲンが前線にロングフィード。これをケインが競り勝ち、ボックス右のデレ・アリが短く落とすと、ドフリーのエリクセンが冷静にゴール左隅に蹴り込んだ。

▽緩い入りからクラブ史上最速失点を喫したユナイテッドはすぐさま反撃を開始。失点直後の3分にゴール前に抜け出したリンガードが惜しいシュートを放つと、その後もマルシャルとサンチェスの両翼の個人技、ターゲットのルカクをハイラインの背後に走らせるシンプルな仕掛けで幾度となくチャンスを作る。だが、GKロリスの冷静な飛び出しに阻まれるなど、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。

▽一方、先制点で勢いづくトッテナムは要所でボールホルダーに激しくプレスをかけつつ、精度の高いカウンターで相手ゴールに迫る。24分には右サイドでボールを受けたエリクセンがゴール右に走り込むケインに絶妙な折り返し。これをワントラップしたケインがシュートもうまくミートし切れず、GKデ・ヘアにキャッチされる。しかし、28分には右サイドでフリーのトリッピアーにエリクセンからパスが繋がると、プレミア屈指のクロッサーはGKと最終ラインの間に低弾道の高速クロスを入れる。これがDFフィル・ジョーンズのクリアミスを誘い、ニアサイドのゴールネットを揺らした。

▽ジョーンズの痛恨のオウンゴールでリードを広げられたユナイテッドは、30分に右サイドを突破したマルシャルがニアのサイドネットを叩くシュートで決定機を作るが、以降は攻守にチグハグな場面が目立ち、ホームチームに圧倒される。しかし、自陣ボックス内でバレンシアがデレ・アリを倒した場面が見逃されるなど、ツキにも恵まれたチームは何とか3点目を許さず、前半を終えた。

▽迎えた後半も試合展開に大きな変化はなし。立ち上がりから試合の主導権を握るトッテナムは、ソン・フンミン、ケインと良い形でフィニッシュへと繋げていく。対するユナイテッドは56分、DFとのフィジカル勝負を制したルカクが初めて良い形でボックス内でのシュートを放つが、これはGKロリスのワンハンドセーブに阻まれる。

▽何とか流れを変えたいモウリーニョ監督は63分、ポグバとリンガードを下げてフェライニとマタを同時投入。だが、投入から数分後に負傷したフェライニがプレー続行不可能となり、70分にエレーラの緊急投入を余儀なくされて3枚の交代カードを効果的に機能させることができない。

▽一方、徐々に覇気が失われたアウェイチームに対して優位に試合を運ぶトッテナムは、プレミアリーグ100ゴールが懸かるケインを筆頭にショートカウンターから積極的に追加点を目指す。だが、69分にエリクセンからのスルーパスでボックス右に抜け出したソン・フンミンの決定機をGKデ・ヘアの好守で阻まれるなど、試合を決める3点目が奪えない。

▽それでも、ラメラ、ムサ・シッソコ、ワニャマを試合終盤に送り込んだトッテナムは最後までユナイテッドにゴールチャンスを許さず、重要な4連戦の初戦を見事な2-0の快勝で飾った。一方、なすすべのない完敗で公式戦の連勝が「5」でストップしたユナイテッドは、マンチェスター・シティとのダービー以来となるリーグ9戦ぶりの敗戦を喫した。