米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米アップルは「iPhone X」に使われる部品について、その発注量を60%減らしたという。

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投資家の懸念を引き起こす

 アップル製品の製造を手がけるサプライチェーン(部品、部材の供給網)に詳しい関係者らが、そう話したと同紙は伝えている。

 また、同紙は、アップルの生産計画に詳しい人物の話として、同社が、2018年1〜3月期におけるiPhone Xの生産台数を、当初予定の約4000万台から、約2000万台に減らす計画だとも伝えている。

 アップルが、1〜3月期のiPhone Xの生産量を、2000万台前後に半減させるというニュースは、日本経済新聞が前日に伝えていた。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、アップルは、いつものように、こうした報道に対するコメントを控えている。

 ただ、同社は現地時間2月1日に、昨年10〜12月期の決算を発表し、同四半期におけるiPhone Xを含む、シリーズの販売台数を明らかにする。

 これまで投資家は、最も安いタイプでも999ドルと、従来モデルよりも5割以上高いiPhone Xについて、アップルのスマートフォン販売台数や、その売上高の押し上げ要因になると見ていた。

 こうした中、iPhone Xの生産半減というニュースは、投資家の懸念を引き起こしていると、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

安価な旧モデルが人気?

 iPhone Xは、iPhoneの発売10周年記念モデルと位置付けた製品。OLED(有機EL)ディスプレーが本体全面を覆い、ホームボタンを廃止するなどして、デザインを大幅刷新。最新技術の顔認証機能「Face ID」も搭載している。

(参考・関連記事)「iPhone X、年末商戦の売れ行きはいかに」

 こうした最新の機能が、部品の高価格化につながり、iPhone Xはこれまでで最も高額なiPhoneになった。

 一方で、アップルは、価格が699ドルからの「iPhone 8」と、799ドルからの「iPhone 8 Plus」も同時に市場投入し、顧客の選択肢を増やしている(アップルのウェブサイト)。

 しかし、それでも、より安価な「iPhone 7」(549ドル〜)や「iPhone 7 Plus」(669ドル〜)などの旧モデルを選ぶ消費者も少なくないと、ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

 ただ、英国の市場調査会社カナリスのアナリストは、こうして、顧客が旧モデルを選ぶことは、必ずしもアップルにとって悪いことではないと指摘している。

 iPhone 7などの旧モデルは、生産コストが低く、比較的高い利益が見込めるからだという。アップルは、特に1つのモデルに頼らなくても、業績目標を達成することはできると、このアナリストは話している。

再び過去最高を更新できるか?

 前述したとおり、アップルはまもなく、昨年10〜12月期の決算を発表し、この期間におけるiPhoneの販売台数を公表する。ただし、同社は、その機種別台数を明らかにしない。このため、iPhone Xの販売実績を知るには、アナリストなどの分析を待つ必要がある。

 最後に、過去3年における10〜12月期の販売台数を振り返っておく。いずれも、その時点の最高台数を達成している。果たして今回も記録を更新できるのだろうか?

・2016年10〜12月:7829万台(前年同期比5%増)iPhone 7発売後

・2015年10〜12月:7477万9000台(同0.4%増)iPhone 6s発売後

・2014年10〜12月:7446万8000台(同46%増)iPhone 6発売後
 

筆者:小久保 重信