高アルコール商品への注目度は高い

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 大手ビールメーカーが、アルコール度高めのビール類を相次いで投入している。キリンビールは1月23日に、第三のビール「のどごしストロング」を発売。サントリービールは第三のビール「頂」ブランドで、2月6日にアルコール度を7%から8%に引き上げるほか、糖質ゼロの新商品を4月17日に発売、上乗せを狙う。背景には消費者の嗜好に加え、メーカーの技術的な努力もある。

 キリンビールの「のどごしストロング」は、発売から1週間で年間目標の約2割となる2000万本(350ミリリットル缶換算)を売り上げた。布施孝之同社社長は、「発売時期が雪と重なって心配していたが、思っていた以上の売れ行きだ」と、手応えを感じている。

 サントリーは「頂」ブランドで、2018年は前年比2・1倍強の480万ケース(1ケースは大瓶20本換算)と強気の販売を計画。4月に「頂〈極上ZERO〉」を発売し上積みを狙う。極上ZEROはアルコール度数が7%で、うまみ麦芽やアロマホップを使用した点が特徴。18年は同商品だけで180万ケースの販売を目指す。

 ビール類は安売り規制強化で販売価格が上昇したことが響き、17年の販売数量は前年比マイナスになった。18年は3―4月に業務向けの価格が1割近く上がる見通しで、需要の押し下げ要因になる。賃金が上がらぬ中で、消費者は少しでも出費を抑えようと節約志向に動く。

 高アルコール度商品が好まれるのは「消費者のコスト意識に加え、食卓の変化もある」と、サントリーホールディングスの担当者は指摘する。共働き世帯が増え、夕食にレトルト食品のおかずが並ぶこともある。「これら味の濃い商品には、キレのよい高アルコール酒類が合う」(同担当者)と説明する。

 一方、メーカーの技術努力により、「アルコール臭さ」を抑えているという側面もある。アサヒビールは4月17日に出すアルコール度7%の新ビール「グランマイルド」で、原料の麦芽からアルコール臭を抑える成分の抽出技術を採用している。

 賃金上昇を伴う本格的な景気拡大局面を迎えない限り、低価格でアルコール度が高いビール類を求める消費者の嗜好に、メーカーが追随せざるを得ない状況が続きそうだ。
(文=編集委員・嶋田歩)