好感度の上がる価格帯やプレゼントとは?(写真:kyoshino/iStock)

2月に入り、今年もバレンタインデーが近づいてきた。2月14日。「愛の贈り物」という名目で女性から男性にチョコレートなどを渡す日だ。百貨店やスーパー、コンビニなどの店頭に設けられた専用コーナーが目につく。チョコレートやスイーツの関連業者にとっては1年に1度の書き入れ時でもある。

バレンタインデーには好きな男性に贈る、いわゆる「本命チョコ」だけではなく、日頃の付き合いから渡す「義理チョコ」も多数飛び交う。パートナーや職場の同僚・上司などにどんなものをあげるといいか、予算や贈り物選びに気をもんでいる女性も少なくないだろう。

予算をかけて高価なチョコレートをあげれば、男性は喜ぶのか。逆に安いチョコレートだとどんな反応になるのか――。クラウドシステムとAI(人工知能)を使った感情分析を手掛けるEmotion Tech(本社:東京都千代田区)は今回、東洋経済オンラインと協力してバレンタインデーに関する男性の意識調査を実施した。

調査は東洋経済オンラインのメールマガジン会員の男性読者を対象に今年1月10〜22日にかけて実施。チョコレートの価格と満足度の相関性や年代ごとの満足度など、バレンタインデーに女性からもらうチョコレートにまつわる「男性の本音」を調べるのが目的で、計1767人から回答を得た。

バレンタインチョコの価格と満足度に相関性は?

まず、バレンタインに男性が女性からもらったチョコレートの価格帯と満足度の相関性を紹介しよう。

チョコレートの価格を「100円未満」「100円〜500円未満」「500円〜1000円未満」「1000円〜2000円未満」「2000円〜5000円未満」「5000円以上」の6段階に分け、それぞれ10点満点で満足度を割り出した。


すると、結果は価格が高ければ高いほど、満足度が上がるという右肩上がりの傾向となった。たとえば「100円未満」なら満足度は3.3だが、「1000円〜2000円未満」になると同7.7、「5000円以上」なら同8.6といった具合だ。当然の結果かもしれないが、ここまで露骨に相関していることがむしろ興味深い。

ただ、金額ベースの上昇幅と満足度の関係を見てみると、「100円未満」と「100円以上500円未満」では満足度のスコアの差が2.7ポイントあるのに対し、「2000円〜5000円未満」と「5000円以上」ではその差は0.2ポイントと、ほとんどなくなっている。2000円以上のチョコレートなら満足度には大差がないということだ。逆に最低限で済ませるためのばらまき用のチョコレートは、1コ当たりの価格を100円以上にするだけで相手の満足度は飛躍的に高まるかもしれない。

高価なチョコのほうがうれしい?

高価なチョコのほうがうれしいという男性の本音をフリーアンサーで抜き出してみた。

・高いほうがおいしいイメージがあり、実際おいしいから(北海道・東北 30代)

・高価な物であれば義理にはならない。特別に思ってくれたり、気にかけてくれていると感じるから(近畿 40代)

・ある程度の価格帯以上でなければ「仕方ないから渡す」というイメージになってしまうから(関東 50代)

・高いものは見た目も味も格段に上等。せっかくなら、おいしく味わいたいから(中部・北陸 50代)

一方で、下記のようなコメントもあった。

・気持ちの問題なので、価格は気にしません(九州・沖縄 20代)

・値段にかかわらず、手作りだとうれしいです(関東 20代)

・礼儀でお返しが発生するので、あまり高い物はいただきたくないのが本音です(関東 40代)

・高価な物は営業的で、見返りを求められている気がする(近畿 50代)

高ければ高いほど喜ばれるかと言うと、必ずしもそうではなさそうだ。値段より気持ちを重視する意見、お返しのことを考え高価でないほうが好ましいと考える意見に類似の声が、数多く見受けられた。

こうした意見を総合的に判断すると、バレンタインチョコレートの価格は一概に安いほうが良いとも、高いほうが良いとも言い切れない。相手と自分の関係性に応じ、気を使わせない程度に日ごろの感謝を伝えるものが良さそうだ。

高級チョコは女性の好感度アップに影響するのか?

次に価格帯ごとにチョコレートをもらったときのそれぞれの相手に対する好感度がどう変化するかを調べてみた。

同じく価格を6段階に分け、その価格帯のチョコレートをもらった場合、相手に対する印象が「よくなった」「ややよくなった」「変わらない」の3つの中から回答してもらったところ、価格が高くなるほど、相手の印象が「よくなった」という傾向が高まることがわかった。


たとえば「100円未満」のチョコだと相手の印象が「よくなった」人は回答者の約6%だが、「500円〜1000円未満」のチョコなら同約26%、「2000円〜5000円未満」なら同約46%までハネ上がる。

相手の印象が少しでもよくなる可能性が高くなるのは、100円以上のチョコレートだ。「100円未満」のチョコレートをもらった人は相手の印象が「ほとんど変わらない」と答えた人が回答者の9割近いのに対し、「100円〜500円未満」のチョコレートなら「ややよくなった」「よくなった」人が半数近く、「1000円〜2000円未満」なら同7割近くに上がる。ただ、「5000円以上」でも「変わらない」と答える人は回答者の25%ほどおり、どんなに高いチョコレートや贈り物をもらっても好感度が変わらない人も一定数いることがわかる。

次に年代ごとに価格とは関係なく、チョコレートをもらうこと自体の満足度がどう違うのかを見てみた。


「20代以下」「30代」「40代」「50代以上」の4世代に分け、それぞれチョコレートをもらった満足度を10点満点としてみてみると、「20代以下」は8.2、「30代」は7.7、「40代」は7.3、「50代以上」は7.2となった。若い世代ほどバレンタインチョコレートに対する感度は高いといえそうだ。

そもそも、バレンタインデーにもらいたいものは?

最後に「男性がバレンタインデーにもらいたいもの」を聞き、全体の分布を見てみた。


1位は当然かもしれないが「チョコレート」で回答者全体の53%。半数以上はやはりバレンタインデーにはチョコレートをもらいたいと考えている。一方、「チョコレート以外のスイーツ」が同14%、「ネクタイ」が同10%、「ハンカチ」が8%となっているのも興味深い。必ずしもチョコレートが絶対というワケでもなさそうだ。

「その他」と答えたのは15%。一部はフリーアンサーで回答が寄せられた。中身を見てみると「酒」や「食事、料理」が多い。食事や料理は妻や恋人に対する要望だろうか。中には「とびっきりの笑顔」という回答もあり、筆者をほほ笑ませてくれた。