執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

おじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれる世代の人の睡眠時間が短いのはなぜなのでしょうか? その理由をまとめました。

年代ごとの平均的な睡眠時間とは

定年後の世代になると、朝4時、5時に起きる人が多くなります。人は、年を重ねるとどんどん睡眠時間が短くなるのを知っていますか? 特にその傾向は、60代、70代から顕著にみられます。ちなみに、新生児の睡眠時間は約15時間、幼稚園から小学生は約12時間、中学・高校生は約9時間、成人は約8時間、健康な60代の人の睡眠は、平均すると6時間くらいともいわれています。年齢が上がるごとに、睡眠時間は減少していますが、そのカギを握るのがメラトニンです。

年齢とともに睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が低下

メラトニンとは、脳の松果体(しょうかたい)といわれるところから分泌されるホルモンで、通称「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。このホルモンは、年齢を重ねると分泌量が減少することがわかっています。小学生の頃をピークに、メラトニンの分泌量は減り続け、60・70代になると微量しか生成されなくなります。そのため、睡眠時間が短くなるのです。

メラトニンは、朝の光を浴びると分泌が止まる仕組みに。その後、14〜16時間経つと再び分泌されます。そのため、朝日を浴びるようにすると、夜メラトニンによる自然な眠気が起こり、入眠しやすくなります。

活動量が少ないから、短時間睡眠で十分

そのほかに考えられる、年をとると睡眠時間が短くなる理由は、生活習慣の変化です。特に、定年退職をした人に多くみられるのが、眠気が来ていないのにやることがないから早く寝るということ。

今までは、日中に仕事があり帰宅後は夕食をとった後、読書や映画鑑賞など、自分の時間をとってから寝ていたのではないのでしょうか。それが、退職後は、日中すべて自分の時間に充てられるため、夜にすることがなく、早めに床につくという人が多いよう。眠くないのに、早めに床につくため、入眠がスムーズにいかず、睡眠の質が低下。深い眠りが得られず、そのまま朝になって目覚めてしまうというパターンです。

これは、日中の活動量の低下も原因のひとつ。退職後は、仕事をしないため活動量が低下。体が疲れていないと、たっぷり眠り体を回復させる必要がありません。そのため、短時間の睡眠で体は十分としてしまうのです。

そして、昼寝も短時間睡眠の原因になります。夜に長時間眠れないからと、睡眠時間の補足として昼寝をする人がいますが、これだと夜さらに眠れなくなります。夜の睡眠の質を上げたいなら、昼寝は我慢して夜に集中して眠るようにした方がベターです。

加齢で睡眠時間が減少するのは自然なこと。もし、短時間睡眠になっていても、本人が体の不調を訴えていない限り、心配する必要はないでしょう。睡眠は、最初の4時間で全体の70%の効果が得られているという医師もいます。