<本格化する4K/8Kビジネス>NHKは次世代8Kで平昌冬季五輪を生中継

写真拡大

 2020年の「東京五輪の前哨戦」とも位置づけられる、今冬の平昌冬季五輪を皮切りに、本格的に4K/8Kビジネスがスタートする。特に次世代8Kの推進は、NHKが積極的だ。2月9日に韓国・平昌で開幕する平昌五輪では、新しい試みや仕掛けを用意する。

■NHKは中継車2台で8Kを生放送

 HDRの迫力ある「色」と「音」

●東京五輪を見据えて一日中「平昌五輪」を放映



 平昌五輪関連番組として、NHK総合では204時間47分、BS1では290時間の枠を設けて、7競技すべてを放送する計画だ。冬季と夏季の違いはあるものの東京と平昌とは時差がないため、「20年の東京五輪の前哨戦として放送に挑む」と、NHK 報道局スポーツセンター スポーツ番組部の高田仁部長は意気込む。

 「演出面では現地の熱気をダイレクトに伝えるために、6か所のスタジオを開設し、7人のキャスターのほかNHKナビゲーター役の上村愛子さんによる選手視線の解説やレポートをする」と話す。

 また、通常放送で実施しているが五輪では初となるCGを使った「バーチャルスタジオ」を現地で実施する。これまで選手紹介や会場マップなどは紙のフリップやモニタを再撮していたが、現地のスタジオで選手や地図、ルール解説をバーチャル映像で重ねるという。フルHDの2Kでのこうした取り組みは、まさに東京五輪で各地の競技場から中継やレポートするためのトライアルを兼ねている。

 次世代の8Kでは現地に中継車を2台出動して、生中継を試験放送する計画。開会式、フィギュアスケート男女の全種目、ジャンプ、スピードスケートショートトラック、スノーボード ビッグエアなどが対象となる。NHKの各放送局に設置された8Kモニタで視聴できるほか、全国数か所でのパブリックビューイングも計画する。

 高田部長は8K放送のポイントにHDRを挙げる。「HDRは色の表現や輝度による明暗の違いが幅広く表現できる。例えば、従来はのっぺりとした白い面にしか見えなかったスケートリンクの表面が、選手のシューズで削られたエッジまで精細に表現できる。また、夜に開催するジャンプでは、8Kカメラで下からとらえた選手の背景に映る夜空の微妙な明暗が表現できる」。

 合わせて8Kの音声は、22.2chサラウンドの大迫力。「リンクの下にマイクを設置するので、シューズのエッジで氷が削れる鋭い音が楽しめる」という。

 4Kは試験放送で42時間の放送を予定。OBS(オリンピック放送機構)としては4K初となる競技中継映像の提供を受けて、カーリング、アイスホッケー、スキーのフリースタイルなどを放送する。現状、4K/8Kは試験放送でしか見られないが、臨場感ある映像をライブで楽しめる時代に突入した。東京五輪での4K/8Kの普及に向けたトライアルが、着々と進められる点もチェックしておきたい。

※『BCN RETAIL REVIEW』2018年2月号から転載