マツダ、第3世代SKYACTIVはEV匹敵のクリーンエンジンに。熱効率56%実現目指す

 

EV化の流れが鮮明になりつつある自動車業界で、あえてエンジン性能を突き詰めるという逆張りの戦略をとる稀有な自動車メーカー、マツダの人見光夫常務が、第3世代のSKYACTIVエンジンではその熱効率を56%にまで高め、(化石燃料を使う発電インフラを考慮すれば)EVに匹敵するクリーンエンジンになると、オートモーティブワールド2018で発言しました。マツダは現在、2011年発表の高効率エンジンSKYACTIVの第2世代となるSKYACTIV-Xエンジンを2019年に市場投入すべく準備中です。

SKYACTIV-Xでは、火花制御式圧縮着火(SPCCI)と称する、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンのいいとこ取りを実現した燃焼方法を採用しているものの、マツダはその先の第3世代SKYACTIVエンジンでさらに熱効率を高めることを考えています。

マツダは、EV化の流れに伴う電力供給にはまだ無駄が多く、EVが急速に発展すれば石油や石炭といった化石燃料による発電供給量が増加し、地球全体で考えたCO2排出削減効果はそれほど大きくなくなると主張します。

そして、排気ガスの出る内燃機関であっても、その燃料をすみずみまで使い切るよう熱効率を極限まで上げれば、EVに匹敵するクリーンな動力源になりえるとしました。そのためSKYACTIV-Xでは、現行のガソリンエンジンで燃費を10%改善することを目標にSPCCI技術を開発したとしています。



さらにそこからEVを凌ぐためには、いくつかの遮熱技術を盛り込んで熱効率を高めることを考えており、最終的にエンジンとしての熱効率を56%にまで高めることを目標とする第3世代SKYACTIVエンジンでは、EVの(火力発電込みの)CO2排出や実燃費と勝負できるとしました。

もちろん、この計算は主要な発電所が化石燃料を使用しているという前提であり、フランスのような原子力発電の比率が高い国では当てはまらないかもしれません。またSKYACTIV-Xの投入時期を考えると、第3世代のSKYACTIVエンジンが出てくるのは2020年代半ば以降になると予想され、それまでにはEVや発電インフラの効率改善も進むことが考えられます。

それでも、これまでの常識を打ち破る技術開発を続け、実現していくマツダのような企業によって、環境負荷を低減しつつ、zoom zoom zoom〜と口ずさみながらハンドルを握りアクセルを踏み込む楽しみが残されるのは、自動車好きにとっては喜ばしいことに違いありません。