金融庁は平成29事務年度中に、「金融仲介機能のベンチマーク」を発展させたKPI(指標)の公表を検討中であることを明らかにした。金融機関が金融仲介機能にどう取り組んでいるかを可視化し、仲介機能のさらなる改善・高度化を目指す。

「金融仲介機能のベンチマーク」の発展版

 金融仲介機能のベンチマーク(以下、ベンチマーク)は、28年9月に金融庁が公表した。5個の共通項目と50個の選択項目からなる。ベンチマークは金融機関が仲介機能の自己点検に活用することを想定。時系列での自行の取り組み状況の比較には適しているが、他の金融機関との比較には十分でない。この点について、「本来、比較可能性を確保し、金融機関間で顧客本位の競争の実現を図ることが目的であるが、(ベンチマーク策定時は金融機関同士の比較ができると)単に指標を上げるために金融機関が努力する。それはやめようというのが庁内の雰囲気だった」(金融庁担当者)という。

KPIの策定を進める金融庁

 しかし、29年11月に公表された「平成29事務年度金融行政方針」では、「比較可能な共通の指標群(KPI)の策定」に言及し、29年12月11日に開催された金融仲介の改善に向けた検討会議の中でも有識者より、「比較可能性を高めるとともに、比較結果を公表することで、借り手に分かり易く見える化することが重要」との意見がなされている。

狙いは「金融機関の見える化」

 KPIに基づいた金融機関の成果が公表されると、個人や企業などの取引先が金融機関の取り組み姿勢がひと目でわかり、金融機関の選別に動く可能性もある。この点について、金融庁幹部は東京商工リサーチの取材に対し、「ベンチマークとの整合性にも配慮しつつ、金融機関を見える化して顧客本位の良質な金融サービスの提供に向けた競争を促す。またこれにより、顧客が自らのニーズや課題解決に応えてくれる金融機関を選択することが可能となる」と述べた。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年2月1日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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