iPhoneでも撮影後にピント調整ができる「Focos」

アプリ名 Focos 提供元 Xiaodong Wang 料金 無料(1200円の有料版、月額120円または年間720円のサブスクリプション版も提供。2時間までのトライアルで有料機能を試用可) 登録 不要 URL https://itunes.apple.com/jp/app/id1274938524(App Store)

 最近は、メインカメラのレンズが2つ並んだスマートフォンが主流になりつつあります。端末各社とも、きれいに背景をぼかしたポートレート写真機能に力を入れているようで、撮影後にピントの位置やボケの量を変えられる端末もありますが、あいにくiPhoneではできません。ただし、それはオリジナルのアプリでの話。今回紹介するアプリを使うと、iPhoneでも撮影後の編集が可能になり、もっとポートレートモードで撮ろうと思い始めるはずです。

iPhoneのポートレート写真で、ピントとボケを再編集

 それは「Focos」というiPhone専用のアプリです。対象デバイスは、デュアルカメラを搭載したiPhone X/8 Plus/7 Plus。撮影機能と編集機能を備えていますが、写真の撮影後にピントや絞りの変更ができるだけでなく、すでにiPhoneのカメラアプリを使って、ポートレートモード撮影した写真を読み込むことで、絞りとピントなどを再編集できるようになります。編集した写真は、JPEG/HEIC/TIFFの各形式で保存できます。

F1.4から20まで絞りを変更できます

 絞りやピントの基本的な再編集は無料版でもできますが、有料プランを購入すると、一眼レフカメラ用レンズの表現を自分の写真上でシミュレーションしたり、オリジナルレンズのプリセットが作成できます。また、エフェクト機能では、撮影したポートレート写真を3Dモードで表示させ、前景ボケや背景ボケの範囲を変更したり、深度フィルターを追加して色みや雰囲気を自由に調整して保存できるようになります。

 料金は、1200円で買い切りの有料版のほか、月額120円または年額720円のサブスクリプションの3タイプがあります。有料オプションの効果は、購入をしなくとも画面上では確認ができます。ただし、保存はできないので、購入するか2時間まで利用できる「トライアル」を選択することになります。

細かいピントの移動が可能

 Focosの撮影モードはとてもシンプルで、特にメニュー類の表示はなく、画面上をタップしてピントの位置を変えたり、露出が補正できるだけです。撮影時の絞りは一定となっており、撮影後に編集モードへ切り替えた後に、絞りなどを調整できるようになっています。

 編集モードは、「クロップ」「絞りサイズ」「レンズ」「エフェクト」の4つのメニューで構成されています。

 クロップでは、傾き調整や上下、左右反転、トリミング(自由自在、オリジナル、1:1、4:3、3:4、2:3、16:9、9:16、2.35:1)ができます。

 絞りサイズでは、スライダーを使ってF1.4〜F20まで絞りを変更できます。このとき、ピントを合わせたい場所をタップすれば、自由にピントの合う位置を変えられます。かなり柔軟に変えられるので、驚くはずです。

ポートレートモードで撮影した写真のピントを背景に移動できました

 後からピントを変えられる機能を持ったほかのスマートフォンでは、撮影時に合わせた場所にはピントがしっかりと合わせられても、後からほかの場所にピントを合わせてもうまくいかなかったり、背景がうまくぼけなかったりということがあります。しかし、Focosでは、かなり柔軟にピントの合う位置を変更でき、なおかつほかの場所のぼけ方も自然なのが大きな特徴と言えます。

 シェイプは、絞り口径の形を選べるメニューです。玉ボケが作れる「ベーシック」は無料で利用できますが、「クラシック」(絞りの形状が10種類)、「ファン」(★や♡型など8種類)、「トイ」(♪やAppleのロゴなど6種類)は有料オプションです。ボカしたネオンなどをハート型に変えるといった演出が可能になります。

 ハイライトとビビッドも有料ですが、ハイライトは背景のボケを明るくし、ビビッドはボケの彩度を上げられます。

丸かったボケが♡型に変わりました

絞りをビビッドにしてみました

 より本格的なカメラのような表現を求めたいなら、レンズの機能をチェックしてみてください。有料ですが、Olympus Zuiko、Helios 44、CarlZeiss Jena、CarlZeiss Otus、Leica Noctilux、Minolta STF、Minolta RF250といった一眼レフカメラ用などのレンズの表現をシミュレーションできます。さらに、クリーミー、ソフト、バイリニア、反射、コロージョン、渦、放射、RGBシフト、ダストといったパラメーターを組み合わせて、自分だけのオリジナルレンズのプリセットも作れます。

有料オプションですが、レンズの機能では、一眼レフなどのカメラ用レンズの特徴を反映させることもできます

角度の書かれた黄色いアイコンを動かすと、グリグリと見え方が変わります

 より上級者向けなのがエフェクトです。こちらは撮影したポートレート写真を3Dモードで表示し、深度フィルターの追加(ぼけ、ティルトシフト、モーションブラー、明るさ、対比、露出、グレースケール、彩度、色相)を追加できるというものです。

 被写体が輪切りの状態で表現され、角度を変えながらどこからどこまでを前傾ボケ、どこからが背景ボケにするかといった情報が視覚的に分かり、その範囲や深度フィルターを自分で編集できます。雨、雪、霧の天候条件もシミュレーションできるそうで、完全に自分好みの理想のボケ味を作りたい方向けの機能と言えるでしょう。

上級者向けのエフェクトに用意されている深度フィルター。適用は有料です

ポートレート写真に限る点に注意

 試してみるとオリジナルを凌駕する美しいボケ味で、ポートレートモードをもっと活用したいと思わせてくれます。かなり柔軟にピントの位置を変えられるので、iPhoneのカメラの隠れたパワーがこのアプリで掘り起こされる感じがするほどです。これに美肌モードが加わったら最強かもしれません。まずは撮影済みのポートレート写真のインポートと編集から始めてみてください。

ピーマンにピントを合わせています

手前のフォークと肉にピントを移動しました。この程度の微妙な距離でもピントを変更できます

 ここで注意したい点が2つあります。1つはアプリのカメラモードで撮影すると、保存しない限りギャラリーに残らないこと。使い方としては、iPhoneのポートレートモードで撮影してからFocosのアプリで調整した方が、修正前のオリジナル画像を残せるのでいいでしょう。

 もう1つは、インポートできるのはメインカメラもインカメラもポートレートモードで撮影できた写真のみという点です。ポートレートモードにしても、撮影時に「離れてください」と表示されていた写真はFocosで編集できません。また、Focosにインポートすると、自然光やスタジオ照明、モノクロといったエフェクトも無効になるので注意してください。