神戸製鋼も急落の後、大きく戻した(時事通信フォト)

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 日経平均が2万4000円を超える中、不祥事や経営不振で世間を騒がせた有名企業の株価も反騰している。この“復活”が本物なら、株価が割安なうちに仕込めば一攫千金も狙える。そうした企業の株式を「不祥事銘柄」と呼んで投資する人たちの判断基準とは──。

 気になる不祥事銘柄といえば東芝(東2・6502)だろう。2015年に不正会計問題が発覚し、決算発表延期や米原発子会社の巨額損失計上なども度重なり、上場廃止寸前まで追い詰められた同社株は不正会計発覚前(2015年4月)の500円台から150円台まで下がったが、その後、株価は乱高下し、今年1月23日には一時340円をつけた。『「小売お宝株」だけで1億円儲ける法』などの著書を持つ「億り人」の坂本彰氏はこう言う。

「不正発覚前の水準まで戻る可能性は高いと見ています。不祥事銘柄の判断材料の一つに経営陣の姿勢の変化があります。

 東芝は虎の子のメモリ事業の売却のほか、同社の象徴的な存在だったニューヨークのタイムズスクエアの看板を外し、テレビ番組のスポンサーから外れるなど、目に見えるコストカットを進めている。この変化は株価に響いてくると思います」

 経営陣の対応という面では、2016年1月、CoCo壱番屋を運営する壱番屋(東1・7630)は、店舗から出た廃棄カツが横流しされていた問題を公表。直後は200円(※注)ほど下げたが、迅速な回収などの対応が評価され、4月頃には不正発覚前より700円近くも上昇した。

【※注/壱番屋は2016年5月31日に株式分割(2分割)を行なったため、同日以前の株価は調整を加えた株価】

 こうした見極めポイントについて、資産3億円を超える「億り人」のかぶ1000氏はこう語る。

「まず『不祥事の内容に比べて売られ過ぎてはいないか』という点。品質検査データ改竄が発覚した神戸製鋼所(東1・5406)の株価は1400円弱から700円台と半値まで急落。安全面での問題がなさそうだと分かると市場は“売られすぎ”と判断し、現在は1100円台まで戻している。

 次に『不祥事がどれほど尾を引くか』。無資格検査が発覚した日産自動車(東1・7201)とSUBARU(東1・7270)、小会社のデータ改竄を公表した東レ(東1・3402)などは、会社の存続に関わるほどの問題に発展しておらず、株価も1〜2割程度しか下がっていない。この水準ではまだ『買い時』とはいえません。“売られすぎている”“不祥事が長引かない”銘柄を狙いたい」

 そんなかぶ1000氏が注目するのが電通(東1・4324)だ。

「2015年12月に社員の違法残業事件が表面化し、株価は7000円台から現在も5000円台に下がりました。しかし今期は過去最高益予想など絶好調。来年以降はラグビーW杯や東京五輪などビッグイベントが控えているので、不祥事前の株価に戻ると見ています」(同前)

 では、昨年末に発覚したリニア工事を巡る談合問題で社長が辞任した大林組(東1・1802)はどう見るか。過去に“不祥事銘柄”に投資し、2億円以上の資産を築いた「億り人」の吉良吉影氏は言う。

「リニア新幹線はつくらなければならないし、今後も五輪特需が期待できるだけに談合に参加したとされる鹿島(東1・1812)、清水建設(東1・1803)、大成建設(東1・1801)を含めて、ゼネコン株は発覚後も大きく値を下げていない。この先、国会で問題視される展開が予想されますが、その局面で下落するようなことがあれば、買いを入れる手はあります」

 不祥事は企業体質を変えるチャンスであり、投資家にはその変化を見極めて一攫千金のチャンスでもある。

※週刊ポスト2018年2月9日号