シャビ・アロンソ氏と森保一監督

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 U-21日本代表の森保一監督は30日、アディダスジャパン株式会社が実施した元スペイン代表MFシャビ・アロンソ氏とのスペシャルトークセッションに出席した。

 12年から5年半率いた広島では3度のJリーグ制覇に導き、昨年10月に東京五輪の男子日本代表監督就任が発表された森保監督。現役時代との違いについて問われると、「指導者になって人に伝えるのは大変だなと思っています」と苦笑い。昨季限りで現役を引退したX・アロンソも同様の質問を受けると、引退から日が浅いこともあり「えらそうなことは言えないけど…」と前置きしつつ、「選手のときは自分のことを考えてベストを尽くし、その後にチームのことを考えていたけど、指導者になると全員のことを考えないといけないね」と続けた。

 X・アロンソはラファエル・ベニテスやジョゼ・モウリーニョ、カルロ・アンチェロッティ、ジョゼップ・グアルディオラという名将の下でプレー経験があり、森保監督から「指導を受けて印象に残っていることは?」と質問を受けると、「共通点は、どの監督も説得力があった」と答える。「選手たちが信じて納得できて、監督のために『やろう』となり、チームをまとめることがすごくうまい監督が多かったと思う」。この答えには森保監督も、「世界の超一流選手をまとめるには、説得力がないといけない」と納得の表情を見せる。

 また、U-21日本代表という若いチームを率いることで、「育成の段階で、どのような言葉掛けでモチベ―ションが上がったか?」と続けて質問をすると、X・アロンソは「個人差はあるけど、僕は注意されるのが好きなタイプでした」と白い歯を見せる。「監督に注意されるほど、『期待されている』『見られている』と感じて、そこで頑張る気になれた。人によっては違うと思うけど、ミスしたときに監督が見てくれているという喜びがあって、モチベーションにつながっていました」。

 そして、ピッチに立つ選手には「勇気が必要」だとX・アロンソは説いた。「組織的にやることやプレー精度は大事だけど、選手は指示通りすることにプラスアルファして勇気がなければいけないし、やんちゃでないといけない。チャンスがあったとき、約束事と違うけど、そこで自分を信じてチャレンジをしていかないとサッカーは成り立たない。あまりにも良い子をやっているのは、良くないかもしれません」。

 代表チームではW杯、EURO、クラブでも欧州CLを制しているX・アロンソの言葉の数々に、森保監督も「説得力があった」と振り返る。「組織でやるということ、監督が選手に求める戦術でチームは戦うことはもちろんだが、組織だけではいけない。そこに個性やリスクを冒してチャレンジする部分が必要」と語ったように、“世界を知る”男から大きな刺激を受けたようだった。

(取材・文 折戸岳彦)