両家の関係を改善するにはどうすればよいでしょうか?(写真:EKAKI / PIXTA)

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私の実家の無礼がたたって、夫や義父母と関係が悪化しています。両家の関係改善のために、私ができることは何でしょうか。私は結婚して5年目、3歳の娘が1人おります。 以前から私の実家の母親は孫かわいさで過干渉なところがあり、それは夫から私に指摘がありました。やんわりと母には断っておりましたが、娘の誕生日を迎えたときのことです。誕生会をみんなでしないのはおかしい、孫がかわいそうだと母が言い、両家の両親を招いてやることになりました。
しかし当日、誕生会の途中で誰にも挨拶もせず、母親は帰ってしまいました。困惑する私に、皆さんには適当に言っておいてと頼まれました。途中で帰った理由は、不仲な父親と一緒に帰りたくないからでした。母が帰ったと知った父も、会が終わりそうではあったのですが、ふらっと帰ってしまいました。このことを義両親が困惑しておられることを知り、とりあえず私が謝りました。何と言い訳していいかわからなかったので、義両親と夫に、両親が途中で挨拶なしに帰ってしまった理由も率直に伝えました。
この一件が夫の逆鱗に触れ、金輪際会わない、絶縁だと言われました。 そのため七五三を祝った際は義両親だけを招きました。それを知った私の両親は失礼だと怒っております。 声をかけたかったのですが誕生会のようなことが起こらないとは限らず、今回はやめておきました。私としては仲良くとは言いませんが、両家が普通に付き合えるようになるには、私がどう振る舞うべきか、助言ください。
匿子

非礼を詫びるよう、両親を説得しましょう


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「挨拶」は人間関係の潤滑油と言いますが、私はそれ以前の、挨拶は人間関係そのものだと思っています。それほど、挨拶がなければ、普通の人間関係は始まらないのです。

ただ今回のケースでは、匿子様にも、挨拶に関しての認識が甘い点にあると感じました。まずは実家のご両親に、あなたの夫や義両親に、誕生会での非礼を詫びるよう説得することから始めるべきです。

あなたは、結婚相手の希望・要望・問題意識は、明確に実家に伝えるべきでした。

私の友人の友子さん(仮名)に、初孫が産まれたときのことです。娘夫婦は友人宅から車で20分の距離に住み、共働きでした。時間を持て余している友子さんは孫の誕生がとても楽しみで、自分の出番が多くなるのを楽しみにし、張り切っていました。

息子のいない友子さんは婿には息子のように接し、関係も良好です。友子さんの楽しみを遮る障害は、何一つ見当たりませんでした。「イクメン」という言葉を、私たちの年代がまだ知らないひと昔前のことです。

ところがこの友子さん、いざ孫が産まれるとなると娘から、「2人の産休を最大限利用し、できるところまで自分たちで育児したい」と宣言されたのです。何よりも婿の意思が強いことを強調されました。

イクメン意識の高い婿の意思を知った友子さんは、「それはとても赤ちゃんにとっても良いことだ。全面的に応援する」と、あっさり引き下がりました。この場合の友子さんの“応援”とは、“手出し・口出ししたくてもしないこと”ですね。「婿が赤ちゃんをお風呂も入れているの、ハラハラ・ドキドキよ、ホホホ……」。

匿子さんのケースとは異なり、友子さんの娘さんは、夫の意思を実母に明確に伝えていました。これに対し匿子さんは、実母が孫に過干渉すぎるという夫君の不満を、(孫かわいさ余ってのことだからと)とても遠慮ぎみに、やんわりとしか母上に伝えていません。だからこれが伝わっていません。

育児の全責任者は誰でしょうか? 夫君がその過干渉を嫌っておられる以上母上に、育児に過干渉しないよう、あなたから明確に強く、伝えるべきです。実家のご両親も、祖父母として成長してもらわなければなりません。

挨拶は人格を表す

挨拶がない人というのは、ほかのさまざまな“人格的欠陥”と結び付けられてしまいがちなものです。匿子さんのご両親は、孫の誕生会で、あなたの夫や義両親に挨拶もせず帰った非礼がどれほどのものか、気づいておられません。「本当に孫はかわいいですね。成長が楽しみです。本日はありがとうございました」などと挨拶して別れる場合との差を想像してください。いい年をして挨拶もできない人だと見下げられても弁明できません。

挨拶にもいろいろあります。私はこの年齢になって気づいたことがあります。よく「挨拶や感謝することを知らない人」といいますが、これは時に、“自分が未経験か無知で、それがどれだけ感謝すべきことか想像できない人”と言える場合があることです。

最近私と友人がある知人宅で、楽しい豪華なもてなしを受けたときのことです。普段家庭であまり料理をしないからかその友人は、それがどれだけの時間とそれなりの費用と、そして何よりも私たちへの好意がなければできない接待かは、彼女の想像の範囲外だったようです。むしろ知人の道楽に付き合わされたような、またはインスタントラーメンでもてなされたのと変わらない感想と挨拶しかせず、驚きました。

別の友人は従妹におカネをだまし取られたと落胆していました。書類もだまされて作成され、訴えても勝ち目がないと言います。人見知りし、弁護士にまともに経過説明もできない友に代わり、私が訴状を3度ほど作成し、反訴も相手の弱点を数時間かけて見つけ出し、持たせました。手前ミソかも知れませんがそれらは弁護士に感心され、ほぼ加筆も訂正もなく採用され、あきらめていた金銭の大半が戻りました。

私が食事やカラオケにつきあえば感激してくれるその友ですが、この件に関しては報告だけで、「ありがとう」もありませんでした。感謝は期待してはいけないと頭では思いつつも、かなりこちらは苦労しただけに、拍子抜けで、残念な気持ちになりました。

挨拶の有無に、その人の価値観や感性が出ます。欠礼は親しくなければ人柄を疑われ、“感謝がない無礼”だとか悪意に取られかねないということを強調したいのです。

人間関係を築くには、まず挨拶から

匿子さんのご両親は、孫の七五三の祝いに招かれなかったのを非礼だと非難しておられます。誕生会で挨拶なしに帰ったご自分の無礼に気づいてない証拠です。あなたがそれでどれだけ恥ずかしい立場になったか、ご両親に伝えていないことに問題を感じます。ご両親に悪気がなくとも、義両親たちに、嫁の両親は失礼な人たちだと取られても仕方がない状況です。あなたの評価まで下がります。人間関係をよくするのもまずくするのも、まず挨拶から始まるのです。

私は実質離婚している夫婦が娘の結婚式に参列し、一緒に新幹線に乗って婿やその両親に見送られるまで、仲の良い夫婦を演じた親を知っています。「夫婦で愛情いっぱいに、大切に育てた娘です。ゆめゆめ軽んじて下さるな」というメッセージです。娘を想う親心とはそんなものです。

匿子さんの母上も、誕生会が終わって「本当に孫はかわいいものですね」などと挨拶をし、出口まででも父上と一緒し、夫婦仲が悪いことを隠すのが、その場のマナーです。娘を想う親ならではの自然の振る舞いです。

ここはご両親が、改めて挨拶をする場面です。ご両親があなたの夫や義両親に、正直にあの日の非礼を謝罪するべきだと、娘としてはっきりと進言するべきです。

あなたのご両親のように挨拶を重要視しない人柄を理解し、姻戚同士がそれなりの付き合いができている親族も、ザラにあります。その点からみればこれで絶縁だと怒る夫君も大人げないのですが、ほかにもご両親の過干渉など、不満があるためでしょう。

一旦は挨拶の重要性をご両親に認識していただき、夫君たちへ謝罪してもらってから次に進みましょう。ご両親がためらわれたら? 「娘や孫がかわいくないのか」、という“最終兵器”の一言は、かなり多くのご両親に効くものですよ。