2017年に改正された「青少年インターネット環境整備法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律)が、総務省令によって2018年2月1日に施行される予定です。

 これは、2008年に制定された「青少年インターネット環境整備法」を、スマートフォンの普及など時代の変化に合わせて法律の内容を改正するものです。

 2008年の法規制では、携帯電話でインターネット接続サービスを提供する事業者は、青少年ユーザーに、フィルタリングサービスの利用を条件とすること、青少年の保護者も端末を利用する人が青少年であることを申し出なければならない、と定められていました。

 しかし、スマートフォンの普及に合わせてフィルタリングサービスの利用率が低下してきたこと、それに合わせるように、コミュニティサイトなどをきっかけに犯罪被害にあった児童の数は増加傾向にあるという近年の調査結果が出てきました。

 こうした状況を踏まえ、2017年、この「改正青少年インターネット環境整備法」が可決しました。これによって法律の内容を最新化し、携帯電話・スマートフォンなどを使う青少年の犯罪被害を食い止めようという狙いがあります。

スマホ時代の「フィルタリング」利用率低下

 改正前の法律が成立した2008年(平成20年)当時は、携帯電話向けの「コミュニケーションサイト」「プロフサイト」「学校裏サイト」などの全盛期でした。

 もちろんコミュニティサイト自体は、人と人のつながりを促進する良い作用があります。一方で、青少年には見せるべきでない情報があったり、あるいは人の出会いを促すサイトが、青少年と犯罪者を引き合わせてしまうということもあります。そこで、悪用を防ぐことを目指してフィルタリングサービスの適用が図られてきました。

 フィルタリングとは、あらかじめアクセスして良いサイトと、アクセスしてはいけないサイトを決めておき、ブラックリスト上のサイトにはアクセスできないようにする仕組みのことです。

 法律の施行以降、フィルタリングサービスの利用が増えたことで、いったんは青少年の犯罪被害を招きかねないサイトの流行は下火になりました。しかし、最近、フィルタリングサービスの利用は伸びていません。その原因は携帯電話の主流がフィーチャーフォン(従来型の携帯電話)からスマートフォンに代わってきたためです。

 これまでの携帯電話では基本的には回線側でフィルタリングすればサイトの選別が有効に働いていました。が、スマートフォンは事業者回線のみのフィルタリングしてもWi-Fiなどの抜け道が簡単に利用できてしまいます。そこで網羅的にフィルタをかける場合、回線だけではなく、端末にも「フィルタリングアプリ」をインストールするといった対策が必要です。キャリアショップなどで店員に一言伝えれば適用されていたフィルターが、ユーザー側で設定する必要があるわけです。手間や面倒さが利用率の低下の一因になったと考えられます。

対策は、各方面への「義務化」

 そこで、改正青少年インターネット環境整備法では、(保護者から設定不要の申し出がなければ)「青少年の使用するスマートフォンには、フィルタリングアプリがインストール・起動・設定までされた状態で使用者の手に渡らなければならない」こととし、関係各所にそのための義務を課すこととしました。

 まず、携帯会社には「契約者または利用者が18歳未満かどうか確認する義務」「フィルタリングサービスを契約者または青少年に説明する義務」「(設定不要でなければ)フィルタリング有効化措置の義務」が課せられることとなりました。

 これまでも事業者などは契約者の年齢確認などを行われてきましたが、それが義務化され、より実効的な施策が求められるようになったのです。

 契約者が青少年でない場合も、契約者は「青少年に使用させるために契約しようとする者は、提供事業者などにその旨を申し出なければならない」とされています。MVNOからのSIM、いわゆる格安SIMを利用する場合も、使用者が青少年である場合は業者に申し出ることが保護者の「法的義務」となったのです。

 フィルタリングソフトのインストールなどに手間がかかるため利用率の低下を生んだ反省をいかし、これまでは負担を求められなかった端末メーカーにも、フィルタリングソフトウェアのプリインストールなどといったフィルタリング容易化措置が義務付けられました。このほか、努力義務として、OS開発事業者にもフィルタリングの有効化を容易に、円滑に行えるような仕掛けを開発するよう求めています。