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株式投資には、通常の取引である「現物取引」のほかに、「信用取引」という方法があります。株を売買する際は、現物買いだけでなく信用取引も利用することで、投資のチャンスが増え、より利益を求めていくことができます。ただし、信用取引にはリスクや注意しておきたい点もあります。

そこで今回は、株式投資の信用取引についてまとめてみました。実際に取引をする前に、ぜひ学んでみてください。

○■現物取引と信用取引の違い

現物取引とは、ごく一般的な株取引の方法です。投資家は証券会社に口座を開き、証券会社に預けた現金(預託金)の範囲内で株式を買います。現金と現物の株式の交換という意味合いで、「現物取引」というわけです。現物取引では、まず株を買うことからスタートします。買った株は、そのまま保有するか売るかのどちらかになります。つまり、現物取引で利益(売却益)を出そうとするなら、株を安く買って高く売るしかありません。

一方、信用取引とは、投資家が現金または株式を担保に、証券会社から現金または株式を借りて行う取引です。投資家を信用して現金や株式を貸すため、「信用取引」と言います。信用取引の方法には「信用買い」と「信用売り」の2つがあります。

信用買いは、証券会社から保証金を担保に現金を借りて株式を購入する方法(買建て)で、担保の約3倍まで買うことができます。信用売りは、委託保証金を担保に証券会社から株式を借りて株式を売却することです(売建て)。このように、信用取引を利用すれば、手持ち資金が少なくても大きな金額の取引ができ、また、下げ相場でも利益が出せるというメリットがあるのです。

○■売買はどうやって行うの?

信用買いと信用売りについてもう少し詳しく見ていきましょう。信用買いは証券会社から現金を借りて株式を購入する方法ですが、その決済方法には2つの種類があります。ひとつめは、購入した株券を返済のために売却して決済を行う方法で、もう1つは、購入した株券の代金を返金し、株の現物を引き取る「現引」という方法です。

信用売りは証券会社から株式を借りる方法で、決済方法は、売った株券を返済ために買い戻して決済を行う方法と、売った株式と同じ銘柄を同じ株数、証券会社に引き渡して借りた株を返却し、売り付け代金を受け取る「現渡」という方法があります。

また、そもそも信用取引を行うには、証券会社に申請を出し、信用口座を開設しておく必要があります。ネット証券の場合、通常は30万円以上の現金があれば開設できます。ただ、金額に基準を設けているというよりも信用取引に関するリスクを理解してもらう意味合いがあるようです。信用取引は、現物取引と同じ口座では取引できない点に注意しておきましょう。

○■信用取引の種類

信用取引には、「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。

制度信用取引とは、証券取引所が定める制度信用銘柄選定基準を満たした銘柄が対象の信用取引です。一方、一般信用取引とは、投資家と証券会社の間で結ぶ契約のことであり、投資家は証券会社から借りた資金に金利を上乗せして返却する必要があります。制度信用取引は、取引できる銘柄に制限があり、また、返済期限も6カ月と決められています。その分、一般信用取引に比べて株式を保有するための金利は低めの設定になっています。

では、制度信用取引と一般信用取引はどのように使い分けすれば良いのでしょうか。制度信用取引は買建てのみ可能です。また、返済期限があるため、6カ月以内の短期売買を予定している人、コストを抑えたい人に向いています。一般信用取引は、制度信用取引では取扱のない銘柄を信用取引したい、空売り(株を借りて売却し、値下がりしたところで買い戻すこと)も行いたい、多少コストがかかっても6カ月以上の長期保有がしたいという人に向いていると言えます。

○■気を付けたい信用取引のリスク

信用取引はとても便利な仕組みですが、その分リスクもあります。信用取引を行うなら、必ずしっかりと理解しておきましょう。

○誰でも利用できるわけではない

先述の通り、信用取引を始めるには信用口座を開設する必要があり、誰でも利用できる仕組みではないということです。特に、株取引の経験がある程度ないと開設を断られることもありますので、注意が必要です。

○大きな損失や追加の保証金が必要にあることがある

信用取引は、担保の約3倍まで投資ができるため、株価が思惑とは反対に動いた場合には、投資金額以上の損失が出ることもあります。また、担保である「委託保証金」には定められた「最低保証金維持率」を保たなければならないため、購入した銘柄が値下がりしたり取引した銘柄に含み損が生じたりした場合、追加保証金が必要になることもあります。この追加保証金のことを、「追証」と言います。

○手数料がかかる

信用取引では、証券会社から現金や株式を借りるため、売買手数料の他に、現金を借りたら「信用取引金利」、株式を借りたら「貸株料」といったコストがかかります。また、買建てや売建ての際にも手数料がかかります。信用取引を行う際には、これらのコストも念頭に置いておきましょう。

信用取引は初心者の人にはあまりなじみがなく、また、現金や株式を借りて取引をすることやレバレッジが効くことで抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、リスク管理をきちんと行った上で活用すれば、利益を得るチャンスはぐっと増加するはずです。株式投資の理解が深まったら、信用取引の利用も検討してみてはいかがでしょうか。

○筆者プロフィール: 武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中。FP Cafe登録FP。