3月21日(水・祝)に全国公開を迎える映画「曇天に笑う」。本作の公開に先駆け、1月29日に東京・増上寺で大ヒット祈願とプレミアイベント“曇天祭り”が開催された。

イベントでは冒頭から、劇中にも登場し国内外で活躍する和太鼓バンド「GOCOO」のパフォーマンスにあわせ、キャストたちを乗せた“曇印”の特製山車がド派手に登場。本作の主題歌であるサカナクションの『陽炎』をBGMに、和装でキメた福士蒼汰(曇天火 役)、中山優馬(曇空丸 役)、古川雄輝(安倍蒼世 役)、桐山漣(金城白子 役)、大東駿介(鷹峯誠一郎 役)、小関裕太(永山蓮 役)、市川知宏(武田楽鳥 役)、加治将樹(犬飼善蔵 役)、若山耀人(曇宙太郎 役)が山車の上から手を振ると、会場は一気にヒートアップ。集まった900名を超えるファンたちに“祝いの飴”をおひねりとして投げながら、大盛り上がりのオープニングを迎えた。

主人公・曇天火を演じた福士は、ちょうど曇りから晴れつつある空模様を指しながら、「今日はみんなの笑顔次第で晴天になりそうだと思います!」と元気に挨拶。続いてステージと化した山車の上に本広克行監督も登場し、トークセッションが行われた。

激しい殺陣によるアクションシーンが見どころである本作について、撮影中の苦労を問われた福士は、下駄を履いて行う立ち回りの難しさについてコメント。ただし「鉄扇」という特殊な武器を使ったアクションについては、「フィリピンの武術「カリ」をやっているので、それを応用して行いました」と涼しげに回答し、主役の貫録を見せつけた。

曇三兄弟の次男・空丸を演じた中山は、兄弟役の福士と若山について言及。「僕に男兄弟はいないのですが、福士さんは最初に会ったときから兄貴として受け入れられたし、(若山)耀人の弟はかわいくて人なつっこいし、男兄弟がいたらこんな感じかなと思いました」と、関係性の良さが役柄にも反映されていたことを明かした。福士もまた、「僕はバリバリ末っ子ですが、(中山)優馬と耀人が弟として現場にいてくれていたから、二人が兄にしてくれました」として、曇三兄弟の絆の深さを語っていた。

そして三男・宙太郎役の若山には、最年少キャストということで、「現場で一番優しかったお兄ちゃんは誰?」という質問が。なかなか一人を選べなかった若山だが、最終的には「本広お兄さん」とまさかの監督を指名。曇三兄弟と共に暮らす金城白子役の桐山は、皆から愛される若山のキャラクターを絶賛しつつ、「耀人とお風呂で背中を流しあったし、兄弟の契りを交わしたかと思っていたのに…」と一番に選ばれなかったことを嘆く一幕も。キャスト陣からも「社会の生き方を覚えたな!」とツッコミが入るなど、彼らの仲良しぶりに会場からも爆笑が巻き起こった。

そんな同世代の実力派男性キャストが集結した“ヒロイン不在”の本作だが、現場は終始男同士ならではの和気あいあいとした雰囲気だったそう。特殊部隊・ヤマイヌ(犲)の副隊長 鷹峯誠一郎を演じた大東は、「洞窟での撮影が多く電波も届かないところにいたから、カードゲームでコミュニケーションをとっていた」と楽しかった思い出を語り、本広監督もまた「日々ムードメーカーが変わるし、男子校みたいだった」と彼らの仲の良さに言及した。

続いて、映画のタイトル「曇天に笑う」にかけ、キャスト陣が「これがあれば笑顔になれる」ものを回答。福士は、「家族の笑顔。喜ぶ顔を見ると自分も喜べるし、それって幸せですよね」とコメントし、優しさあふれる回答に会場からは「おお…」と感嘆の声が漏れた。中山は、「ワンちゃんです。いつも一緒に寝ているんですが、最近は寒くて布団から出てこず、『仕事に行くからね!』と言うとやっと来てくれる」と愛犬の溺愛ぶりを吐露。若山は「欲しいものを欲しいだけ買って、やりたいことをやりたいだけやると笑顔になります!」と無邪気に語り、会場からも思わず笑いがこぼれた。
また大東は「音楽」と即答し、「もともとサカナクションの大ファン。この映画で書き下ろし主題歌になると聞いたときはすごく興奮したし、素晴らしい曲を作っていただいた。しかも東京のど真ん中で、GOCOOさんの生演奏と共に『陽炎』を聴けたということが一番幸せですね」と、本イベントの豪華さをあらためて実感している様子だった。

最後は主演の福士から、映画を楽しみにしているファンへ「この映画は、誇れるスーパーエンタテインメントになっていると思います。明るく元気な作品なので、皆さんに楽しんでほしいです」とメッセージが。惜しみない拍手と大歓声の中、プレミアイベント“曇天祭り”は大盛況のうちに幕を閉じた。

続いて同日夜には、丸の内ピカデリーで実施された完成披露試写会を実施。上映前には福士、中山、古川、桐山、大東、小関、市川、若山、本広監督が登場し、大歓声のなか上映前舞台挨拶が実施された。

福士は「天火は明るく笑顔が多い役。みなさんにも笑顔になって見てもらえたら嬉しい」とスマイル全開でコメント。女性客の黄色い悲鳴が鳴りやまぬ会場を見た本広監督は、「この映画のターゲットは女性だと思って作ったけど、今日はほとんど女性ですね」とさっそく手ごたえを感じていた様子だった。

また、「自分が女性だったら、登場人物の誰に惚れるか」というトークテーマでは、桐山演じる金城白子選んだ福士。「やっぱり優しい人が好き。白子の支えてくれる感じが素敵」とキャラクターへの思いを語った。中山は「(大東演じる)鷹峯誠一郎。見るからに強い感じに惚れる」、古川は「(福士演じる)曇天火。笑顔が素敵なので」、そして桐山も天火を挙げながら、「カップル成立?」とおどけつつも「天火は明るく前向きな言葉をくれるのでそこに引き寄せられるし、男も女も明るい人がいいですよね」と見解を述べた。

大東は、“曇天祭り”で若山に「現場で一番優しかったお兄ちゃん」に選ばれなかったことを受け、「(若山演じる)曇宙太郎!選ばれなくて本当にがっかりしたんですよ!」とついに自らアプローチ。小関は「(中山演じる)曇空丸。ハングリー精神が好きです」として、ストイックに強さを追い求める姿を称賛した。市川は、「(東山紀之演じる)岩倉具視さん!」とまさかの登壇者以外のキャラクターを指名。「権力者が好きなんで」と笑わせつつも、「東山さんがかっこいいし色気も凄い」と惚れ込む理由を語った。そしてそんなキャスト陣を、本広監督は「結局いちゃついてるよなあ」と微笑ましく見守っていた。

最後は、登壇者を代表して福士と本広監督からメッセージが。福士は「この映画は、出演者やスタッフが全身全霊で、命がけで作った作品です。かっこいい男たちがたくさん出ていて、胸熱な映画だと思うので、皆さんも胸が熱くなって、最後は笑顔で帰ってください」とコメント。本広監督は、「2年ぐらいかけてみんなで苦しんで一生懸命作った作品。最後にサカナクションの主題歌『陽炎』がかかりますが、これは『シネマバージョン』といって映画館でしか聞けない編集になっているので、そこも楽しんでください」と楽曲のこだわりにも言及。拍手が鳴りやまぬなか舞台挨拶が終了した。

■映画情報
「曇天に笑う」3月21日(水・祝)全国公開
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