ここ数年、イオン系スーパーの店頭で見かける謎の魚「パンガシウス」。コストコの鮮魚コーナーにも『生パンガシウスフィレ』として並んでいますね。世界史で習ったギリシャの偉人のような名前の響きですが、実はこれ、食用なまずなんです。

欧米では「バサ」とも呼ばれ、主にタラの代替品として “白身魚のフライ” に姿を変えて流通されているようです。国内ではうなぎの代替品として紹介されることもありますが、それは少し無理を感じますね。そこで「海外でタラの代替魚になっているのなら、タラにふさわしい料理に使えば美味しくいただけるのでは?」と思い、鍋料理にしてみました。

泥臭さとか、全然ナシ!

実は、食用ナマズは”キャットフィッシュ”と呼ばれ、北米では馴染みの深い食材。主に『フィッシュアンドチップス』(魚のフライとフライドポテト)のフィッシュフライに使われているそうです。『バサ』とも呼ばれる『パンガシウス』は、北米で行われた食味調査で「アメリカの食用ナマズより美味い」という結果だったのだそう。

タイ・バンコクを流れるチャオプラヤー川で見た、巨大な黒い魚。「この魚は食用なまず。美味しいんだよ」と言われ、「ウソー!」なんて言っていたのですが……まさか、本当に食べる日が来るなんて……。

恐る恐る顔を近づけてみますが、川魚特有の臭いがありません! というより、臭いがありません。パック売りの魚にありがちな、ドリップも出てきません。指で押してみると、表面は少し乾いていて、しっかりとした弾力が。魚っぽくない特徴に「本当に、タラの代替なの?」という疑問が増してきます。

『パンガシウス鍋』を作ってみた

そこで、タラの代替品らしく、鍋にしてみました。白菜、春菊、きのこ、ネギと一緒に寄せ鍋にしてみました。どうです、見た目は違和感なく溶け込んでいますよね。

ポン酢に薬味のネギと七味を浮かべ、パンガシウスを食べてみます。どきどき……。

パンガシウスは、口の中に入れるとホロっと崩れるのに、適度な弾力があり鍋では身崩れしません。鍋つゆに細かく脂が散っていることから、身の中に適度な脂があることがわかります。タラの代替品らしい、淡白な味もあります。臭みがないので他の食材の味を壊さず、寄せ鍋メンバーとの相性はバッチリ。肉厚なので、食べ応えもあります。

これが食用ナマズであることを知らない家族は「身が水っぽくなくて詰まっているから、タラより美味い」と絶賛していました。

タラも白菜も高騰が続く、今年の冬。パンガシウスを使えば、リーズナブルに美味しい『たら鍋』が楽しめそうですよ!