飲み会で密かにつくるセクハラ上司左遷術

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政府や、大企業主導で進められる「働き方改革」。残業時間の削減が叫ばれ、パワハラやセクハラに対する監視は厳しくなる一方だ。職場の環境は変わりつつあっても、変わらないものがある。それは人間関係。自分の成功体験を押し付けてくる上司や言われたことしかしない同僚、隙さえあればサボろうとする若手など迷惑社員が突然いなくなるわけではない。ストレスの種になる彼・彼女たちに「いつかは反撃したい」と胸に秘めている人も多いことだろう。本企画では、ビジネスパーソンへのインタビューから、職場で実際に起こった上司・部下・同僚への驚くべき「指導法」を取材。皆さんの職場でも役立つかもしれない。

■FBのリア充投稿が生んだ大きな「嫉妬」

スマホを取り出せば、SNSで友人や同僚の投稿をチェックするという人も多いだろう。少しでも「いいね!」を増やそうと写真に凝る人も増えている。しかし、SNSにも意外な落とし穴があるという。

大倉研一さん(仮名・38歳)の勤める外資系メーカーでは、社員の交流を目的に、社長命令で全員がFacebookに登録し、友達になっているという。

「社長も毎日投稿していますが、うちの部の次長も負けずに投稿をしていました。子どもの誕生日や、海外旅行、趣味のダンスの様子などを熱心にアップ。プライベートが充実しているんだなと思う一方で、皆が残業しているのに早く帰ってダンスの練習しているんだとか、1人だけ長期休暇を満喫していると妬む人も出てくるようになりました」

妬みが最も強かったのが、次長の上司にあたる女性部長だったという。

「部長は独身で仕事一筋。夜もほぼ会食と、次長とは対照的。相当根に持っていたらしく、部長は次長のFacebookの昨年の投稿を見て、誕生日や結婚記念日などにあえて仕事を頼んだり、会食に呼ぶなどするようになったんです」

いまや、さまざまな機能があるスマホアプリもお仕置きの道具になる。

インフラ関連企業の経営企画部で働く東原光二さん(仮名・37歳)は昨年末に起こったある事件を教えてくれた。

「部全体の忘年会でうちの課長がお酒を飲みすぎて、20代の女性社員の肩に手を回したんです。女性はやめてくださいよと笑いながら言っていましたが、見る人が見ればセクハラととられてもおかしくはなかった」

その様子を見て、やめたほうがいいですよね、と話しかけようと隣に座っていた係長を見ると、スマホの画面に集中していたという。

「画面を覗いたらGoogleの検索ページだったので、何か調べているのかなと思っていました」

■飲み会で知らずにつくられる左遷理由

その会はそのままお開きになったが、異変が起こったのは、年明けに出勤したときだったという。

「突然、課長の地方への異動が発表になったんです。新課長には忘年会で隣に座っていた係長がそのまま昇進しました。あとで、人事部の同期に聞いたら、実は忘年会で女性社員の肩に手を回す写真が送られてきたのが原因だったというのです」

東原さんは、新課長の忘年会での行動が気になって、インターネットで「グーグル検索」「写真」などの言葉で検索してみた。

「検索したら『サイレントカメラ』という撮影時にシャッター音がしないアプリが出てきました。しかもそのアプリ、撮影中でも画面にはGoogleのトップページなどをダミーで表示できるというものだったんです」

それでも新課長が犯人だと確信を持てなかった東原さんは、半年たったころに飲み会の席で新課長にアプリの話を振ってみたという。

「バレないと思ったのか、サイレントカメラのことを教えてくれました。ほかにも音を消して動画を撮影するアプリも入っていた。忘年会の件を報告したのはこの人だなと確信しましたね」

それから東原さんは新課長にできるだけ近づかないようになったという。

継続した好評価を受けるには、お仕置きはほどほどに。

(鈴木 俊之)