「僕の泣き顔を撮られているところは、涙で見えなかった。顔を上げられなかったんだ」。

今回「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/本戦1月15〜28日/ハードコート)のタイトル防衛に成功したロジャー・フェデラー(スイス)は、テレビのインタビューで冗談交じりに語った。

それはきっと、勝ちすぎて恥ずかしかっただけに違いない。

2012年の「ウィンブルドン」以来、グランドスラムのタイトルから遠ざかっていたフェデラーは、2017年初頭、怪我による長期休養を経てメルボルン入りした。フェデラーは驚きの復活劇を繰り広げ、直近のグランドスラム5大会の内3大会を制した。

「すごくハッピーだ。信じられない」とフェデラーは深々と息を吸い込んで涙をこらえながら言った。「もちろん、勝てたのは夢のようだ。去年、素晴らしい1年を過ごした僕らにとって、僕にとって、夢物語が続いている。すごいことだ」。

トロフィー授与式が終盤に入り、スタンドにいるチームに感謝した時、フェデラーの目に涙が込み上げた。

「君たちを愛している。ありがとう」。

そしてスタンディングオベーションを受けると、フェデラーの頬を涙が流れた。

「精神的にきつかった。コンディションも。この大会期間中、僕はずっと屋外コートでプレーしてきて、暑い1日に向けて準備していた」と対戦相手のマリン・チリッチ(クロアチア)は言う。

「それなのに決勝は初めて屋根を閉じた試合になって、適応するのが少しむずかしかった。特に試合開始直後、決勝でああいう状況だと」とチリッチは続けた。

観衆のほとんどがフェデラーを応援することになるのは、最初から明らかだった。アリーナはスイスの国旗の赤と白に埋めつくされ、フェデラーのサポーターはシャツや帽子やボードや顔にスイスの国旗をあしらっていた。フェデラーの勝利を期待して、「大記録20勝。行け、ロジャー!」と書いたボードを掲げたファンもいた。

ラブゲームでサービスゲームを決めたマッチポイントの直後、チリッチの失敗に終わったチャレンジで祝勝は遅れた。昨年のラファエル・ナダル(スペイン)に対する5セットマッチの勝利に似た終わり方だった。そして12カ月前と同じように涙が流れた。

「この12カ月で、グランドスラムに3回優勝した。自分でも信じられない」とフェデラーは言ったものの、復活の快進撃を中止する気配は見せなかった。「スケジュールに気を配って、ハングリー精神を保ち続ければ、いいことが起きるかもしれない。年齢は問題ではないと思う」。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真はトロフィー授与式でのフェデラー
(AP Photo/Dita Alangkara)