2017年は「完全ワイヤレスイヤホン元年」になったと感じている。前年末に発売されたアップルの「AirPods」がヒットして以来、完全ワイヤレスイヤホンというジャンル自体が脚光を浴びるようになってきたからだ。

 今回ご紹介する「GLIDiC Sound Air TW-5000」(以下、Sound Air)もその1つだ。特徴は、なんといっても小さくて軽いこと。左右合わせた本体は9gしかなく、装着していても全く負担に感じない。本体を2回充電できるバッテリーにもなるケースもコンパクト。手のひらに収まってしまう。

本体は、なくしてしまいそうなほど小さい

耳にしっかり収まるコンパクトさ

左右合わせて9gと、非常に軽い

 気が利いていると感じたのは、イヤーピースがXS、S、M、Lの4サイズ同梱されていること。筆者の場合、インナーイヤーイヤホンによっては、装着しているだけで頭が痛くなってくることもあるのだが、Sサイズ(実測直径約1.2mm)よりさらに小さいXSサイズ(実測直径約1.1mm)なら、そのような心配もなさそうだ。

 装着して、思い切りヘッドバンギングしたり、外を走り回ったりしてみたが、取れて落ちたり、ずれたりすることはなかった。ランニングする人であれば、そのお供にもいいかもしれない。

同梱物は、本体のほか、イヤーピース4種類(うち、Mサイズは本体に装着済み)、バッテリー兼充電ケース、充電用ケーブル、かんたんガイドなど

 使いはじめは非常に簡単。両方のピースをバッテリーも兼ねる充電ケースから同時に取り出せば、初回ペアリングモードに入る。そこで、接続したい端末の設定からBluetoothをオンにして、表示されたSound Airをタップすれば良い。ちなみに、ふたつめ以降の端末とのペアリングは、右ピースのボタン(マルチファンクションボタン)を長押しするだけで、端末から検索できる状態になる。

初回ペアリングは、ケースから両ピースを同時に取り出して、スマホ側でSound Airを探すだけと簡単。2台め以降の端末とのペアリングは右ピースのボタンを長押しする。8台までの端末とペアリングできるが、同時に接続できるのは1台のみ

端末との接続切れはないが、通話品質に不満

 ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンのメリットは、端末を持ち歩かなくても気にせず音楽を聴き続けられるところ。そのため、ドア一枚隔てた程度で端末との接続が切れてしまっては元も子もない。

 今まで使ってきたものだと、ちょっと隣の部屋に行っただけで接続切れになってしまう製品もあったのだが、Sound Airではそのようなことがない。リビングに端末(使用したのはiPhone X)を置いた状態で、隣の部屋、さらにそこから廊下に出て洗面所で作業していてもつながったまま。洗面所の扉こそ閉めなかったが、2枚の壁を隔ててもなお接続状態を保ったままだったのだ。

 気になる音質だが、完全ワイヤレスイヤホンで1万円未満の製品としてはまずまず。高音部がシャカシャカするわけではなく、音圧が低いわけでもない。いわゆる“フラット”な音を楽しめる。

 Bluetoothの対応コーデックは、SBCとAAC。iOS搭載端末に特化しているのかもしれないが、Android端末(使用したのはGalaxy S8)でハイレゾ音源を鳴らしたところ、iPhoneのiTunesに取り込んだ楽曲より奥行きがあるように感じられた。「今聴いているのはハイレゾだ!」という潜在意識のせいかもしれないが。

 遅延は、一般的なワイヤレスイヤホン・ヘッドホンと変わりがなく、音ゲーをする人向きではない。とはいえ、動画視聴であれば、最初のうちこそ違和感を覚えても、そのうち脳が慣れて気にならなくなるかもしれない。

 Sound Airは、HFP(Hands-Free Profile)に対応しているし、製品紹介ページには「通話もクリアサウンドで」とあったので、通話も試してみた。ちなみに、通話相手がいないため、音声品質を確かめるために取った方法は、Sound Airを装着した状態で手持ちの別のスマートフォンに電話をかけ、「応答」をタップ、録音開始してから別の部屋に移動し、適当なセリフを20秒ほどしゃべり、終話してから受話したスマートフォンの録音を聞く、という傍から見ると残念なもの。

 結果は、どういうわけか音声が飛び飛びになっており、自分が電話を受ける立場だったら「え? え? よく聞こえないんですが!?」と大声を出してしまうであろうレベルのものだった。何度か試してみたが、毎回同じ状態。ちなみに、別のワイヤレスヘッドホン(Jabra Move Wireless)で試してみたところ、音が途切れ途切れになることはなかったので、これはSound Air特有の問題のようで、これまた残念。

 残念ついでにもうひとつ挙げると、Sound Airは左右それぞれに一つずつボタン(マルチファンクションボタン)がついていて、音量調整、曲再生/停止、曲送り/曲戻しなど音楽再生時の操作が一通りできるようになっているのだが、音量を上げるために右ピースのボタンを押すと、ときどき一拍遅れて左ピースの音量が上がるときがあった。

パッケージがかっこいい。筆者はこれだけでテンションがあがってしまった

 とはいえ、わずか1万円で、煩わしいケーブルから完全に解放され、質の良い音楽を聴きながら自分の世界に没頭でき、しかも接続が簡単。Sound Airは「完全ワイヤレスイヤホン初心者」にとっても、サブとしての2台目を探しているガジェッターにとっても“買い”のイヤホンだろう。

製品名 販売元 価格 GLIDiC Sound Air TW-5000 SoftBank SELECTION(ソフトバンク コマース&サービス) 9864円(税込)