TKPはお家騒動後も経営不振に苦しむ大塚家具の大株主に踊り出た。写真左が河野貴輝社長(撮影:2017年11月、今井康一)

お家騒動の末、業績不振にあえぐ大塚家具。昨年11月、再建を模索する同社の「支援」に手を挙げたのが貸会議室運営のティーケーピー(TKP)だ。

大塚家具保有の自己株を約10億円で取得。創業家の資産管理会社(6.66%)に次ぐ6.65%の大株主に躍り出た。

2005年創業、「貸会議室」ビジネスで急成長

赤地に白抜きのロゴに見覚えがある人は多いだろう。創業は2005年。伊藤忠商事を経てネット証券、ネット銀行の設立に携わった河野貴輝社長が32歳で起業。

当初は、取り壊しが決まったオフィスビルを安く借り(賃借料後払い)、時間貸し(料金前受け)をする、コインパーキングの会議室版をスタート。ビルの空室などの遊休不動産と、会議室を必要なときだけ使いたい企業をつなぐ「空間再生」ビジネスでもある。

貸会議室業者は無数にいるがTKPは最大手と見られる。東京証券取引所マザーズ上場初年度の18年2月期は売上高283億円(前期比29%増)、営業利益33億円(同22%増)を見込む。

ただ、貸会議室だけでは付加価値は小さく参入障壁も低い。TKPでは宴会場機能を備えた大型物件や、新築ビルの共用会議室の運営を受託するケースまで、グレードを分けて全国に拡大。

機材レンタル、料飲・宴会サービスをオプションで提供して客単価アップを図る一方、弁当会社の買収などでサービスを内製化、利益率を高めた。

同社が目下、力を入れるのが「シナジーが大きく確実に安定収益を生む」(河野社長)ホテル事業だ。アパホテルのフランチャイジーとして、札幌、東京・日暮里など現在4カ所で営業し、20年2月期までに10カ所に増やす。「ホテルは目的ではなく手段。10棟になれば営業益20億円が上乗せになり、キャッシュを成長投資に生かせる」(同)。


TKPが空間再生の先に描くのが領域拡大のための「事業再生」ビジネス。大塚家具との提携はその最初の事案という位置づけだ。大塚家具の抱える低稼動な空間の活用が第一弾。今春、新宿ショールーム最上階をイベントホールにして運営を受託する計画などが決まっている。

東証1部上場には流動性の確保が課題

株価は大塚家具との提携発表にあまり反応しなかったが、上場以来ほぼ右肩上がり。「時価総額1000億円が、海外年金ファンドなどの投資対象となる下限。短期売買狙いの個人より、まずは長期志向の投資家に買ってもらいたい」(河野社長)。


当記事は「週刊東洋経済」2月3日号 <1月29日発売>からの転載記事です

とはいえ、現在は特定株比率が9割近い。すでに視野に入っているという東証1部上場に向け、同比率引き下げは必須、株主からの目もより厳しくなる。

河野社長を入れて社内取締役2名でスピード成長してきた経営手法が、社員数1000人、売上高300億円体制にも通用するのか。ベンチャーからの脱皮という試練も待ち受ける。