齊藤工さんが監督をつとめた長編映画『blank 13』に主演した俳優・高橋一生さんにインタビュー。役柄について、自身の変化について聞きました。

映画『blank 13』で高橋一生さんが演じる松田コウジは、蒸発した父親が見つかったとき、家族で唯一、会うことを選択する。

「彼の中で、引っかかっている何かがあったのでしょう。肉親への感情って複雑に絡み合っていると思うんです。父に対しての憎しみや愛情、顔が見たいとか、いろんな気持ちが。選択したというよりも、会いに行くしか道がなかったのではないか。そもそも、人生における選択って、そういうものだと思います。僕自身、人生で“こうしよう”と選んだことはありませんから。思考を挟まず、川を流れる中で藁をつかむような、反射的な行動。その動きこそが真実だと思うし、常に反射できる状態にはいたいです」

“選択=反射の繰り返し”だと考えるのは、生きていくうえでは必ず、人との関わりが生まれるから。

「行動をするときには、自分の肉体や心以外に、必ず他者が介在しています。アクションではなく、リアクション。会った人や起きた出来事によって選択の幅は狭まるし、“これしかない”と、おのずと決まっていきます。そんな感覚がはっきりしてきたのは30歳を越えてからです」

そして37歳になった今、行動をするときの基準がひとつ増えた。

「若い頃より、裏づけがされていないものを選びがちだと思います。ヤケになっているといえばそれまでですが(笑)、ヤケって自信のあるなしを飛び越えた、何か二元的ではない瞬間だと思うから。そのときの行動には自分の本質が出ていて、面白くて好きなんです」

たかはし・いっせい 1980年12月9日生まれ、東京都出身。『blank 13』では、主役の松田コウジを演じている。現在、映画『嘘を愛する女』が上映中。また『空飛ぶタイヤ』の公開が控えている。

高橋さん・スーツ¥309,000〜(オーダー価格) シャツ¥52,000 ネクタイ¥20,000 シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03・6274・7070) 齊藤さん・スーツ¥309,000〜(オーダー価格) シャツ¥52,000 ネクタイ¥20,000 シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)

※『anan』2018年1月31日号より。写真・笠井爾示(MILD) スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん) 赤塚修二(メーキャップルーム/齊藤さん) 文・杉谷伸子 重信 綾