専業主婦は2億円損!? 夢の“奥さま人生”のシビアな現実

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 仕事がイヤになり「こんな会社さっさと辞めて、家庭に入りたい!」と思ったことはありませんか? もしくは「年収1000万以上の男性と結婚して、優雅な専業主婦になる!」と言いながら婚活している女性、周りにいませんか?

 そんな女性、また現役専業主婦の方も、度肝を抜かれるタイトルです。『専業主婦は2億円損をする』。

 著者は作家の橘玲(たちばな・あきら)氏。経済小説や、投資・経済に関するノンフィクションを手掛け、分かりやすい経済論で各方面から支持されています。

◆仕事をやめて専業主婦になることのリスク

 じつは著者の橘氏自身が、家事・子育ての経験者。年収120万円時代に当時の奥さんと共働きして、保育園の送り迎え、料理、洗濯といった家事を経験。離婚後はシングルファーザーとして子供を育て上げています。

 主婦の大変さも尊さも理解した上で、日本における「専業主婦」の立場や、それを目指すことの“損得”をシビアに分析しているのが本書。

 その答えは本のタイトル通り、“損”でした。

 もちろん専業主婦ライフを満喫している方はいますが、「その割合は圧倒的に少なく、将来的に夫は会社、妻は家庭というオリに閉じ込められてしまう」と説いています。

 専業主婦という生き方を否定しているのではありません。ただ、「リスクを知らずにイメージだけで憧れるのは考え物」と本書は教えてくれます。

◆「専業主婦は2億円の損」ってどういうこと?

 大学を出た女性が60歳まで働いたとして、平均的な収入の合計は2億1800万円(退職金を除く)だそう。仕事を辞めてしまうと「本来稼ぐはずだった2億円を手放すことになります」というのが著者の弁。

 そうは言っても、子供を産んでまでバリキャリ人生を歩むのは至難の業ですよね。昨年も赤ちゃん連れ議員についてひと悶着(もんちゃく)あったばかりですし、保育施設も充実しているとは言いがたい。

 それでも「旦那の稼ぎに頼るしかない、お金も自由もない生活」にならないためには、「会社を辞めても仕事をやめるな」と本書。ベビーシッターや親族の手を借りながらでも、何らかの仕事は続けた方が気持ちの上では良さそうです。

 私は以前、ハローワークでケンカしている熟年夫婦を見かけました。仕事も収入もない夫を妻がなじっている姿です。正直、とても見苦しいものでした。夫をなじる暇があったら妻が働いてみては? と仲裁したくなったほどです。

◆年収いくらあれば「幸せ」を感じられるのか 

 本書によると「ひとり年収800万円が幸福度マックス」。これは、時々夫婦で外食や旅行をしたり、子供に習い事をさせたりという「ひとなみの幸福とされていることを、お金を気にせずにできる金額」だそう。ちなみに「子供のいる家庭なら世帯年収1500万円を目指せ」とのこと。

 目指せと言われても…年収1500万円の男性をゲットするなんて「宝くじよりずっと確率の低いギャンブル」と本書に言われるまでもなく、相当難しいことはわかりますよね。

 高収入男性のほど、多忙です。目もかなり肥えています。まず間違いなくモテますから、浮気のリスクも高いかもしれません。

◆働き続ければ「夫を選択する自由」が手に入る

 超高年収の限られた男性を探して、わざわざ選択肢を狭めることはないのです。それよりも自分が働く前提で、「本当に自分に合う男性」を探したほうが、幸せを掴む可能性は格段に上がりそう。

 もちろん現在の年収が男女とも800万である必要はなく、まじめに働いていて、将来的に年収800万に届きそうな人を探す(自分もそれを目指す)のが正解。

 本書は「今後増えるのは同類婚」と推測しています。「賢い男子は自分が余分に2億円稼ぐよりも、一緒に稼いでくれる女性を選んで“4億円分の幸せ”をつかもうとする」のです。

「自分で稼いだお金は、これまでどおり好きなように使いたい。今時の男子の本音であり、今や女性とさほど変わらない給料で妻子を養うのはつらいのが昨今のリアル。女性だって、働きながら家事育児の全部をこなすのはしんどい。お互いのつらさとしんどさをトレードしつつ、4億円を目指すのが『同類婚』」。

 宝くじよりもはるかに率の良い「2億円×2の同類婚」。コツコツと頑張って働くあなた自身が宝くじの“当たり”なのだと誇りを持ち、自由にパートナーを見つけるのが幸せへの早道だと、本書は厳しくも温かく指南しているのです。

<TEXT/森美樹>